<ライブラリー>

テーマ
【歯の話・予防】

ウーロン茶の意外な効果
お年寄と肺炎

骨は大丈夫ですか?
一口何回噛んでいますか?
毎日何回歯を磨いてますか?
タバコは歯の健康の大敵
卑弥呼は何を食べていた?
唾液は縁の下の力持ち

ガムで『噛む力』を
キシリトールの話
歯とからだ全体の関係
口のしくみと働き
歯と歯ぐきのしくみと役割
歯は健康のパートナー
【治療の話】

歯ぎしりの悩み

インレー修復法

急性根尖性歯周炎
白いつめ物・セラミックインレー
デンタルレーザーで治療に効果
ご存知ですか?審美歯科
総義歯
部分床義歯
プラスティック(レジン)充填
親知らずの話(1)
親知らずの話(2)
親知らずの話(3)
根分割と分割抜歯
神経を取る治療とは?
抜歯後の注意事項
やむをえず抜歯する時
治療した歯がしみるとき

入歯のお手入れ忘れずに

歯根膜炎と根尖性歯周炎
つめ物・かぶせ物
歯がしみる時がありますか?
歯にかぶせる人工歯『クラウン』 
歯に橋をかける『ブリッジ』
根管治療は根気よく
【歯と口の病気】

トレンドは毛先みがき
ブラッシングの方法(1)
ブラッシングの方法(2)
ブラッシングの方法(3)
カリエスリスクをご存知ですか
サホライド塗布でむし歯の予防
シーラントでむし歯の予防
フッ素塗布でむし歯の予防
歯周病を予防する方法
歯周治療の目的
歯周病の原因について
歯周病の原因と症状
むし歯と歯周病
気になる口臭
定期的に歯石の除去を
くさび状欠損
歯がしみる!
歯周病発見のポイント
歯周病の進み方
糖尿病と歯周病
歯石を取りましょう!
どうして虫歯になるの?
虫歯の進み方
しのびよる歯周病
歯のグローバルスタンダードは・・
【母と子・噛み合わせ】

どんなかみ合わせですか?(2)
どんなかみ合わせですか?(1)
歯の矯正はなぜ必要?
アゴの病気をチェック
コワーイ『顎関節症』
かみ合わせは大丈夫?
食育すすめて健康笑顔
指しゃぶりの影響
命の芽生えを知ったら
女性の歯と口の健康
乳歯の根の治療
丈夫な歯を育てる『食育』
こんなとき乳歯を抜きます
子供のおやつと虫歯
乳歯のむし歯の話
乳歯のブラッシング
乳歯のはえる時期
子供の虫歯予防処置
大切な6歳臼歯
【その他】

『定期健診』のすすめ

歯のエステ・審美・・


『定期健診』のすすめ
「予防」がいちばん

『8020(ハチマルニイマル)』を知っていますか?

 日本人の寿命がのび、今や人生80年の時代です。いつまでも自分の歯でしっかり噛んで楽しく食事をすることが健康生活の第一歩です。歯の健康管理が、長い人生を豊かにする大切な要素になってきています。『8020運動』は、このような時代を背景に、“80歳になったとき自分の歯が20本残っているようにしよう”と厚生労働省と日本歯科医師会が提唱している運動です。

 歯と歯を支える組織の病気は、来院したときには、病気が予想以上に進行していることが多いのです。「面倒だ、こわい、忙しい」という気持ちが、よくない結果を招きます。いつまでも自分の天然の歯が残るようにするには、積極的な『予防』が基本です。専門家による定期的なチェックと予防指導を受けて、歯や口の健康を維持して下さい。

「歯の日」を機会に健診を受けましょう!
お誕生日も健診日には最適です。

これらの日付にマークをつけて、その日にはあなたの歯と口の健康を思い出しましょう。そして、都合の良い日を選んで健診を受けてください。

乳歯の根の治療

乳歯の下には永久歯

 永久歯がどんどんはえてくると、乳歯の根はそれに伴い吸収されます。最後には歯冠(歯の頭の部分)だけが残り、脱落して永久歯が見えてきます。これが正常な歯の交換です。

 神経の治療をした歯は、根の吸収と共に根充剤も吸収されないと、永久歯は好ましくない場所に移動してしまいます。歯並びを悪くしてしまう結果となります。吸収される根充剤を使うため、根の中を密閉できません。このため、乳歯が神経を失うと歯肉が腫れるなど、たびたび再発を繰り返すことがあります。何度も腫れて歯胚(永久歯の芽)に影響が出るようなら抜歯をしなければなりません。また、乳歯を早く抜いた場合には隣りの歯が倒れてきて、歯並びに影響がありますので適切な方法を相談しましょう。 

永久歯の役割
@かむこと
A永久歯の萌出スペース確保
B顎骨の成長に関与

丈夫な歯を育てる『食育』

お子さんの強い丈夫な歯を育てましょう

 むし歯や歯周病を予防することだけが歯の健康維持ではありません。噛む機能が十分に発達し、何でも好き嫌いなく食べる子、味覚も含めて感受性の豊かな子に育てることが大切です。子育てのうち、食事に関係した分野の中心はやはり家庭。保護者のがんばりが強い丈夫な歯を育てます。

栄養のバランスが歯育ての基本

 歯によい食事の基本は栄養のバランスがとれていること。「1日30品目」を目標に、骨や体を育てるのに欠かせない栄養素を含む食品をまんべんなく食べさせます。調理法を工夫して、子どもが歯によい食品を好きになるように習慣づけて下さい。

「おかあさんだいすき」は丈夫な歯を育てるかしこい献立

 おから・かきあげ・サンマの塩焼き・大豆の五目煮・イモの煮っころがし・酢の物・キンピラゴボウ・・・・俗に言う「おふくろの味」です。これらは日本の伝統的な家庭料理で、繊維を含む野菜や良質のタンパク質が豊富です。おふくろの味には、丈夫な歯を育て、歯と口の健康を維持するために必要な要素がみんな揃っています。

野菜の繊維がむし歯を防ぎます。

 大阪の岡崎卓司博士は開業医としての経験から、「歯を丈夫に保つには野菜を多く食べることが必要だ」と提唱しています。食の教育がすすんでいるアメリカでも、コールドウェル博士が「セロリやにんじんがむし歯予防に効果的」と報告しています。 これは、水に溶けない食物繊維であるセルロースが、噛むときに歯を清掃し、しかも良く噛むことで弱アルカリの性質をもつ唾液がよく出て、むし歯菌がつくる酸を弱める働きをするからです。

 この不思議な野菜の効用をいかして、積極的に歯育てを進めましょう。



歯周病発見のポイント

歯ぐきが腫れたり、出血したらイエローカード!

歯周病をチェックする習慣を!

成人の8割は歯周病を持つと言われていますが、気付かない人が殆どです。そして歯周病になると、わからないうちに自分の大切な歯を失うことになります。幸い歯周病は予防することができますし、発見が早いと治療もしやすい病気です。次の7つのポイントを自分でチェックしてみましょう。

1:歯ぐきが腫れて赤くなっている
2:歯ぐきから出血がある
(歯ぐきからの出血は異常ありのしるし)
3:常に口臭がある
4:歯と歯の間に隙間ができてくる
5:歯ぐきがやせて歯の根っこが見えてくる
6:歯がグラグラしてくる(歯のグラグラは危険信号)
7:歯ぐきがどことなく痛い、かゆい

一生自分の歯を使うために!

 歯周病は自然に治ることはないので、放っておくと症状はどんどん悪化してしまいます。治療をすることによって、ある程度の進行
を防ぐことができます。

1:
正しいブラッシングを毎日行い、歯周病の原因となる歯垢を取り除き、
口の中の清潔を保ちます 。リステリンなどの含嗽剤も効果的です。

2:
歯ぐきをマッサージして歯肉を強くします。マッサージをすると歯肉は引き締まり、
歯と歯ぐきとの間にできる隙間を減らします。

3:
栄養のバランスが悪かったり、不規則な生活を続けたりしていると、体の抵抗力が弱まり
歯ぐき が赤く腫れたり浮いた感じがします。常に規則正しい生活を心がけてバランスの
とれた食事をすることが肝心です。

4:
歯石を取ってもらいましょう。6カ月に一度は、歯科医院で歯石を取ってもらうように
しましょう。歯石は自分一人で取ることはできません。



根分割と分割抜歯



骨は大丈夫ですか?
若い人にもみられる骨粗鬆症

 骨粗鬆症は、英語でosteoporosis(オステオポロシス)といいます。
osteoporosis(オステオポロシス)―――これは、osteo(オステオ)とporous(ポーラス)という言葉の合成です。osteoは「骨」、porousは「多孔性(あな)」を示しています。つまり、骨に孔(あな)があき、骨の密度が低下し、骨が弱く折れやすくなることを言います。以前は高齢者に多くみられた症状でしたが、最近ではダイエットによる「骨密度」の低下や、若い人たちの食生活の変化により、若い人たちの中にもみられるようになってきました。

骨がこけたら歯もこける

 一見、歯と骨は関係ないように思いがちですが、歯を支えているのはアゴの骨なのです。アゴの骨がもろくなってくると歯自体にも影響がでてきます。例えばかみ合わせが悪くなったりします。

食事はバランス良く、よく噛んで

 骨を丈夫にするには、カルシウムの摂取が大事です。しかし、最近の子どもや若者たちの嗜好は、カルシウムを多く含んでいる牛乳、小魚、大豆製品、野菜などより、スナック菓子やインスタント食品に移行しています。また、ビタミン剤やカルシウム入りドリンク等で補おうとする傾向がありますが、栄養はあくまでもバランスの良い食事を摂ることから始まります。歯ごたえのあるものをよく噛んで食べて、アゴの骨と筋肉を
えましょう。

こんなとき乳歯を抜きます

永久歯や全身の健康に影響が出るとき、抜歯します

ひどいむし歯のときは歯を抜かなければなりません

 見た目でも歯に大きな穴が開いているとわかる時は、むし歯はかなり大きいといえます。そして歯髄(しずい) まで侵されているケ−スもあります。歯髄は歯の根から続く管の中に神経や血管が通っているとても大切な組織です。さらに進むと、細菌が歯の根の先からアゴの骨も侵し、溶かしていきます。

 急性の場合は激痛がはしり、腫れて高熱も出ます。慢性の時は、吹き出物のような物が歯ぐきにでき、ウミが出ます。病気は骨の中まで進行し、やがて次に生えてくる永久歯や体全体にまで影響してきます。ここまで進んでしまったむし歯は救うことが難しく、抜かなければなりません。

永久歯の生え方によっては乳歯を抜く場合もあります
よく乳歯のワキから永久歯が生えてきて顔をのぞかせるといったこともありますが、永久歯が生えてきたからと喜んでいる場合ではありません。放っておくと後で歯並びがガタガタになってしまいます。ふつう、乳歯の根っこは後に出てくる永久歯の萌出に合わせ自然に短くなり(吸収される)抜け落ちるのですが、なかなか抜けない場合もあるのです。そんな時は乳歯を抜いて、永久歯に道を譲らなければなりません。

ケガで歯を抜くケース

 走り回ってドアに衝突する。子どもにとってはよくある場面です。そんなとき、子どもが激しく歯をぶつけてしまったら、すぐ歯医者さんに診てもらう方がよいでしょう。歯が動いたり欠けたりしたままで放っておくと、後になって歯が黒く変色し、神経が死んでしまうこともあります。歯が縦に割れてしまった場合などは、歯を抜かなければならないことがあります。

◎お子さんの歯で何か気になることがありましたら、お早めにご相談ください◎

歯周病の進み方
進行すると、元気な歯も抜けてしまいます

歯はこうして失われていきます

そしてついに、歯は抜けてしまいます

 歯周病の恐ろしさはむし歯のように痛むことがあまりなく、痛みなどの自覚症状が出てからは進行が早まり、きれいな歯が抜けてしまうことにあります。歯ぐきに異常のある場合は、早めに治療を受けることが大切です。

神経を取る治療とは?

神経を取らなければならない場合
1.冷たいものや熱いものがひどくしみる。
2.ぶつけて歯が折れてしまった。
3.歯並びの悪い歯を治したいが、矯正治療はしたくない。
4.症状はないがむし歯がとても深い。

  などの場合、「歯の中の神経を取る治療」が必要になります。


神経を取らなければならない理由
1.しみるときは、これを治すためにどうしても神経を取らざるを得ない。
 (症例によっては、薬で治るときもありますが…)
2.歯が折れて、中の神経が露出してしまうと、バイ菌が侵入してしまい、
  後になって歯痛に悩まされる。
3.出っ張った歯を削ることによって引っ込めようとすれば、かなりの量を
  削ることになり、やはり神経が露出してしまう。
4.無症状でも深いむし歯では、すでに神経内にバイ菌が侵入しているケースが多く、
  神経を取らないでかぶせる等の治療をすると後から痛くなってくることがある。


   
                                                          
一口何回噛んでいます

よく噛んで健康美人に!

 食事のとき、あなたは何回噛んでいますか?現代はハンバーグやスパゲティなどの柔らかい食べ物が多くなり、「よく噛んで食べる」ことが忘れられがちです。古代の女王卑弥呼は、食事に約1時間かけ4000回も噛んでいました。それが現代人わずか11分で600回です。早飯は百害あって一利なし。よく噛まない食生活がわたしたちの健康を脅かしているのです。この事実をよく噛みしめて下さい。

「噛む」と防げるガンとボケ

 噛むときに分泌される唾液の中にある酵素(ペルオキシターゼ)は、発ガン性物質の毒性を消す働きをします。また唾液の中には、成人病を予防する働きをしたり、脳の発達や老化に関係しているホルモンがあり、よく噛むほど唾液もよく出て脳の働きを活発にします。ガンや成人病にならず、ボケないためにも、「よく噛む」ことが大事というわけです。

“早食い”は、肥満のもと

 肥満は成人病の温床。肥満の最大の原因は食べ過ぎ。そして食べ過ぎの人には‘早食い’が多いのです。早く食べると、脳が血液中の成分変化の情報をキャッチするまでの間に食べ過ぎてしまうのです。肥満を防ぐためによく噛んでゆっくり食べましょう。ひと口30回は噛みましょう。

よく噛んでハンサム・美人になろう

 小さいときによく噛まないと、アゴの骨が十分発達しないため、大人の歯がキチンとはえるスペースがなくなり、歯並びが悪くなります。当然かみ合わせも悪くなって、いっそう噛みにくくなります。

 美容と健康のために、硬いものをよく噛んで食べて、アゴの骨と筋肉を鍛えましょう。平安美人も古代の美人も、硬いものを時間をかけて食べたからうまれたのです。

子供のおやつと虫歯


ダラダラおやつがむし歯の原因。ケジメが大事です

 あなたは、「子どもにおやつとむし歯はかかせない」などと誤解してはいないでしょうか。子どものむし歯は、歯科知識の普及とお母さん方の関心の高まりとともに、今では随分減りました。でも安心してはいけません。
 乳歯は大人の歯に比べ象牙質やエナメル質が薄く、しかも子どもは甘いものを口にする機会が多いので、むし歯になりやすいのです。ちょっと気を抜くとすぐむし歯になってしまいます。

 まずは、子どもが大好きなおやつ、これをじょうずに与えて子どもをむし歯から守りましょう。

ダラダラおやつがむし歯をつくる
 保育園に通う子どもにむし歯が少ないとよくいわれますが、それは、食べる時間と量を規則正しく行い、食後に歯みがきを励行していることが理由のようです。
甘味はおとなにとっても人生の楽しみのひとつですが、その摂取の量や方法を誤ると健康と人生の楽しみそのものを台無しにしてしまいます。ケジメが大事です。

モグモグカミカミ歯に良いおやつ


○おやつは1回で食べる量をきめます。
○ベタベタ歯にくっつくものは避けましょう。
○いつまでも口に甘さの残るものも要注意です。
○良く噛むおやつを。そしゃくは消化を促進し、
  脳の発達もうながし、バランスのとれた美しい
  顔をつくります(スゴイ!)。
○おやつには「牛乳も一緒に」がおすすめ。
○食べた後は楽しい「歯みがきタイム」です。


糖尿病と歯周病

糖尿病と歯周病、両方の治療を

糖尿病の人は歯周病になりやすい

 糖尿病にかかると血行障害が起き、また、高血糖により体を守る白血球の機能が低下するので、感染しやすくなります。そのような状態のままでいると、次第に歯肉までおかされて、歯槽膿漏など歯周病になりやすくなります。歯周病で悩む人には糖尿病の人が多くいますし、歯の治療で歯科医の診断を受けて、糖尿病が見つかるという人もいます。糖尿病の人は、口腔内を清潔にして、よく歯みがきをすることが大切です。

歯はいつも清潔に

 歯周病は自然に治ることはないので、放っておくと症状はどんどん悪化してしまいます。常にお口の中を清潔に保ち、定期的に歯科医師のチェックを受けましょう。

●毎日正しいブラッシングを行い、歯周病の原因と
 なる歯垢を取り除き口の中を清潔に保ちましょう。
●歯ぐきをマッサージして歯肉を強くしましょう。マ ッサージによって歯肉は引き締まり、歯と歯ぐきの 間にできる隙間を減らすことができます。    
●歯石を自分で取ることはできません。6ヵ月に一度 は、歯科医院で歯石を取ってもらうようにしましょ う。

生活習慣病の克服を

  歯周病の治療には糖尿病の有無によって、回復の進み方にも大きな差が生まれます。糖尿病そのものを治していかないと、歯周病の治療が無駄になってしまうケースもあります。歯周病も糖尿病もいわゆる『生活習慣病』です。正しいブラッシング、正しい食生活を守り、
『生活習慣病』を克服していきましょう。








抜歯後の注意事項
患部を刺激しないよう、食事や運動に気をつけて

 抜歯した後、すぐに傷も回復すると思われがちですが、歯を抜くということは、小さくても手術をしたということです。傷が早く回復するように、次のことに注意して下さい。

歯を抜いてから

 抜歯した後に、少し時間がたち、麻酔が切れると、多少痛みを感じることがあります。その時には、痛み止めの薬をお飲み下さい。

抜歯後の出血について

 抜歯後、少し時間がたつとツバに血が混じることもありますが、ツバを吐き続けたり、水でウガイをすると出血は止まりません。出血が止まりにくい時は清潔な脱脂綿、ガーゼなどを丸めて傷口にあてて、20〜30分位噛んでいて下さい。特別な例を除いては、止血するケースがほとんどです。

抜歯後の食事の注意

抜歯当日の食事は、麻酔のしびれがなくなってからにして下さい。患部を刺激しないよう、なるべく柔らかい食べ物にし、ワサビなどの刺激物は控えましょう。アルコールも避けて下さい。

その他の注意

☆抜歯後の過激な運動や仕事、入浴は避けて下さい。

☆傷口を気にして、指や舌でさわらない様にして下さい。ハブラシも 抜歯したところにさわらないようにし、なるべく翌日から使用する ようにして下さい。

☆抜歯後何時間かして寒気を感じることがありますが、これは抜歯の 反応により起こる症状ですので、なるべく安静にしていて下さい。 もしも高い熱が続くような時は、必ずご連絡下さい。

やむをえず抜歯をする時

健康を守るためには抜歯することがあります

 永久歯を抜けば歯はもう生えてきません。誰もが「歯を抜くのはできるだけ避けたい」と思います。しかし病気の状態によっては、お口の健康を守るためにも抜歯が必要です。抜歯の必要性をご理解ください。テキスト ボックス: しこんまくえん歯根膜炎・こんせんせい根尖性・ししゅうえん歯周炎

こんなときは抜歯します
□ ひどいむし歯で歯がほとんどなくなっているとき(歯冠崩壊)
神経(歯髄)も死んでいます。放置すれば歯の根の先に細菌が巣をつくり(病巣感染)、感染が全身にひろがる可能性もあります。歯を残すのは無理な状態です。

□ 歯周病が進行し、歯の根が溶けて歯がグラグラしているとき。 このままでは健康な歯や歯肉まで病気になってしまいます。これ以上悪化させないために抜歯します。 

□ 歯肉に埋まっている歯(埋伏歯)やねじれて生えている歯は、隣の健康な歯や歯肉に悪い影響を与えます。かみ合わせの点でも問題です。このような歯は抜歯の対象です。テキスト ボックス: まいふくし埋伏歯

□ 親知らず(智歯)は、歯列の一番奥にあって、みがきにくく衛生管理がとても難しい歯です。また反対側にかみ合う歯が生えていなかったり正常な状態に生えていないことが多く、かみ合わせの点でも問題です。こうした事情から親知らずは抜かれます。

□ 歯が正しい位置に生えていないとき。このままでは隣の歯やかみ合せによくありません。矯正のために抜歯します。

□ 歯の根が割れたり折れたりしている歯は、周囲の組織に炎症がおきやすく、ほかの歯へも悪い影響を与えるので抜歯します。





治療した歯がしみるとき


新しい象牙質ができるまで様子をみてください

どうしてしみるの?治療した歯

 「治療したのに歯がしみるのはなぜ?」と不安になる方がおられます。でも、どうぞ心配なさらないで下さい。

 むし歯に侵された歯は、周りにひろがらないようにむし歯の大きさより大きく削ります。治療後の歯は、神経が近くなった分だけお口の中の刺激が神経にすぐ伝わります。これが、治療後歯がしみる理由です。ただし、これも『第二象牙質』ができればなくなります。歯は神経を守ろうとして、神経を囲むように新しい象牙質をつくります。これが第二象牙質です。できあがると刺激は神経に直接伝わらなくなり、しみなくなります。(下のイラストを見てください)

しみなくなるまでの期間は、歯の状態や人により違います。1〜2週間から1年ぐらいまで様々です。特別冷たいものや熱いものに気をつけていれば、そのうち自然にしみなくなります。落ち着いて様子をみてください。

金属による治療は、しみやすくなる要素です

 金属は熱を伝えやすい素材です。削ったあとに金属を詰めたりかぶせたりすると、神経に近づいたところに金属の熱を伝えやすい性質が加わり、「冷たい」「熱い」の刺激が歯の神経にさらに伝わりやすくなります。ところで、熱の伝わり方は金属によって異なります(熱伝導率の違い)。どうしても歯がしみてつらい方は遠慮なくお申し出ください。ふさわしい治療材料等、ご相談に応じます。

乳歯のむし歯の話
むし歯になりやすい乳歯

 永久歯に比べて乳歯はむし歯にかかりやすいと言われています。それには、いくつかの理由があります。

・子どもは一人ではなかなか上手に歯ブラシを使いこなせないため、歯の清掃が上手にできないから です。

・子どもの歯は食べカスがたまりやすい上に、食べ物には粘着性のある、むし歯の原因ともいえるも のが多く、炭水化物で酸の発酵がさかんになるからです。

・子どもの歯(乳歯)は永久歯に比べると、大きさも厚さも2分の1程度です。歯の表面の硬いエナ メル質、象牙質も、永久歯の厚さの半分なので石灰化も弱いからです。

早めに発見すれば、治療が簡単です

 子どもの歯はむし歯になると進行が早く、痛みも少ないために半年位で神経の近くまで進んでしまいます。初期の症状としては、歯の表面が白っぽくなっていたり黒い小さなシミのようなものが付いていたり、歯の溝の部分が黄色くなっていたりします。この位の症状で発見されると、治療も比較的簡単にすみます。

むし歯を予防するには

・まずは口の中を常に清潔にし、歯垢や細菌、歯石を 取り除いておくことです。

・おやつにはなるべく砂糖の少ないものを選び粘着性 の高い物はやめ、寝る前の間食も極力控えましょう。

・定期的に検診を受けてください。半年に一度位診て もらうのがベストです。

入歯のお手入れ忘れずに
入れ歯はあなたのからだの一部。いつも清潔に

1.入れ歯はやさしく扱いましょう。
 入れ歯はお口にピッタリ合うように薄く作られています。
取り扱いを間違えると破損します。注意して、ていねいに取り扱って下さい。

     ・落とさない  ・熱湯に入れない

     ・曲げない   ・乾燥させない

     ・削らない

2.入れ歯はいつも清潔にしておきましょう。
入れ歯の正しいブラッシング法の指導を受け、正しくみがきましょう。合成樹脂部分は特に汚れがつきやすいので注意してみがきましょう。

    ・専用のブラシと洗浄剤を使う

    ・歯磨き剤は使わない

    ・強い力でみがかない

3.夜寝るときの取り扱い。
歯の残り方など、口の中の状態によって、寝ている間の無意識な咬合で残在歯を悪くしてしまうことがあるので、入れ歯をつけたままのほうが良いか、外したほうが良いかは、ドクターにご相談ください。

4.歯と歯肉の手入れも大切に!
残っている自分の歯をむし歯や歯周病から守るためにも、毎日のブラッシングで歯垢を取り除くことが大切です。歯肉もブラッシングによって血行が促され、良好な状態が保たれます。

5.定期的にチェックを受けましょう。
月日がたてば、お口の状態も変化します。入れ歯がお口にぴったりの状態を保つには調整が必要です。入れ歯を長持ちさせ、充実した毎日を過ごすためにも、半年に一度はぜひ定期診査を受けましょう。

歯根膜炎と根尖性歯周炎
炎症がアゴの骨まで広がる病気です

頬や歯ぐきの腫れには気をつけて

 むし歯が進行して歯髄が感染し炎症をおこしているとき(歯髄炎)、そのまま放置しておくのは大変危険です。感染がすぐにアゴの骨と歯とを結びつけている「歯根膜」にひろがり、歯根膜が炎症をおこします(歯根膜炎)。さらに感染が進めば、炎症は歯の根の先から周囲の組織やアゴの骨にまでひろがります(根尖性歯周炎)。
歯はアゴの骨に立っていられずグラグラし、終始ズキズキと激しく痛みます。歯の根の周囲
には、白血球の残骸がウミとなってたまり、歯ぐきが腫れることもあります。炎症が骨にまで及んでは大変です。すぐ受診してください。













 

きれいに消毒して治療

 歯根膜炎のときも根尖性歯周炎のときも、治療は、感染して腐った神経を取り除き、神経が通っていた部分をきれいに清掃消毒してしっかりと埋めてしまいます。これでたいていの炎症はおさまります。まれにそれでも鎮まらないこともあります。そういう場合は、外科的な処置を施します。

むし歯を軽くみると、取り返しのつかない事態になります。

毎日の手入れと定期的に診査を受けてあなたの大切な歯を守って下さい。

根管治療は根気よく
むし歯がひどくても、歯を抜かないで治療できます

 むし歯がC3(歯髄まで侵入)まで進行してしまったら、歯髄の腫れが神経を圧迫し、痛みは強烈です。歯が浮いたり、かみ合わせることもできないほど頬が腫れてきたりします。こうなると、もう歯髄は救えません。でも、歯そのものを抜く必要はまだありません。根管治療(死んだ歯髄や汚れた象牙質をとる治療)をきちんと行えば歯を助けることができます。
根管治療は時間がかかりますが、あなたの大切な歯を安易に抜かないために、根気よく治療を受けて下さい。

治療の方法と期間

1 根管治療

 死んでしまった歯髄や汚染された象牙質をとり、歯根管のなかを拡大して清掃、消毒します。  

通院回数      回程度

2 根管充填

 清掃、消毒された歯根管のなかの空洞を封鎖し
て歯周組織への感染を防ぎ、歯根尖にできてい
た病気を治し、歯の機能を維持させます。

通院回数      回程度

3 クラウン(冠)装着
まず、クラウンをかぶせるための土台づくりをし、それから装着します。

通院回数      回程度

 これで歯を助けるための治療は終わりです。しかし、これでもう大丈夫というわけではありません。その後きちんと機能を果たしてくれているかどうか確認するためにも、必ず定期的に診察を受けてください。

唾液は縁の下の力持ち
消化を助けるだけでなく、若さも保ちます

 私たちが生きていくために必要な栄養素は、食べ物から摂取しています。食べ物は、ただ口からとればいいのではなく、細かく噛み砕かれ、消化酵素と混ぜ合わさって、栄養素が消化吸収されるようにしなければいけません。そのために必要なのが「だ液」です。

食べ物を消化する消化酵素

 だ液に含まれる消化酵素には、食べ物を消化するはたらきがあります。たとえば、アミラーゼは、でんぷんを消化し、麦芽糖に変え、血液中の血糖値を速く高めるので、食べ過ぎの防止に役立っています。

口の粘膜を守るムロチン

ムロチンは食べ物を滑らかにしたり、ねばり気を出して口の中の粘膜や舌が傷つかないようにしています。

老化を防ぐパロチン

 だ液腺ホルモンであるパロチンは、骨や筋肉などを丈夫にして老化を防ぎます。このホルモンは耳下腺から分泌され、血色のいい顔、肌の張りをもたらし、若さを保つのに大切なはたらきをしています。

がんも防ぐだ液

 さらに、リゾチーム、ラクトフェリンなどは、口の中で細菌が繁殖するのを防ぎ、ペルオキシターゼは発がん性が指摘される活性酵素を分解する働きがあるといわれています。

 だ液は口の中の乾燥を防ぎ、口の中を清潔にするはたらきをもっているので、だ液の分泌が少なくなると、むし歯や歯周病にかかりやすくなります。

 よく噛むことは、だ液の分泌を促し、さらにだ液がさまざまな効果をうみだしているのです。ストレスが原因でだ液の分泌が減ることもあります。食事のときはよく噛んで、ゆったりと時間をかけて楽しみたいですね。

歯石を取りましょう!
形に残らない治療ですが
歯周病予防のために最も大切です

 

 

 

 

 

 

 

 

虫歯の進み方
ごく初期のう蝕は「再石灰化」で治す

 むし歯の進行状態は4段階に分類されています。みなさんも学校や歯医者さんでC1、
C3という言葉を聞いたことがあると思います。あれが、むし歯の進行を表す表現です。
しかし最近ではCO(Caries Obsarvation)といって、ごく初期のむし歯は、経過観察を
しながら再石灰化を促す治療が行われています。

乳歯のブラッシング
毎日の歯の手入れで、健康も愛情もたっぷり!

むし歯から守るために、年齢に適した歯みがき方法を

○乳児期
赤ちゃんの舌には白っぽいカスが時々たまります。お母さんは水やぬるま湯で湿らした布でカスをふきとってください。

○生後7〜8カ月の時期
生後7〜8カ月くらいになると、赤ちゃんにはもうかわいらしい前歯が生えてきます。やはり歯の汚れは布やガーゼなどで拭き取ってください。

○生後1年を過ぎたら
この時期くらいから歯ブラシを使いましょう。お母さんが磨いてあげてください。

○3歳を過ぎたら
この頃からは自分で磨くようにさせましょう。しかし子どもはまだまだ歯の磨き方が上手ではありません。お母さんも手伝い、歯みがきをした後はよくチェックしましょう。

○5歳を過ぎたら
5歳位になったら、毎食後(朝・昼・晩)「1日3回みがき」をさせましょう。お母さんは、仕上げ磨きで、磨き残しがないかよく見てあげてください。

○六歳臼歯が生えてくる頃
6歳位になると、強く大きい六歳臼歯が生えてきます。この六歳臼歯は食べカスもたまりやすくむし歯になりやすいので気をつけて磨くようにしましょう。

子どもに適したブラッシング方法

乳歯に適したブラッシング方法は、横みがきです。ブラシを歯面に平行にし、少し力を入れて小刻みに動かします。あまり大きく早く磨くと歯垢が落ちにくいので気をつけましょう。歯ぐきに傷がつく心配もあります。特に歯と歯ぐきの境目や奥の方の歯は念入りにし、子どもが吐き気を起こしたりしないよう歯みがき剤はつけない方がよいでしょう。歯ブラシは、小さめの方が効果的です。

つめ物・かぶせ物
中途半端な治療が原因で二次う蝕が起こります

治療したそばから次のむし歯が

  歯の治療なんて、詰めてかぶせてしまえば、みな同じ・・・もしかしてそうお考えではありませんか?
 治療が終わってすぐは分からないかもしれません。でも、一度治療した歯がまたむし歯になってしまった例は結構多いのです。それを『二次う蝕』といいます。詰め物や冠(クラウン)などに接したところが、新しくむし歯になることをいいます。「う蝕」とはむし歯のことです。
 この『二次う蝕』はむし歯を削り残して再発したというものではありません。粗雑な治療や、修復材料が原因で、詰め物や冠が歯にピッタリ合わず、そこにたまった歯垢が主な原因でなるむし歯です。


歯の治療はミクロンの世界



















 インレーやクラウンなどの修復物と歯のスキ間や段差が、だいたい100ミクロン(0.1ミリ)以上になると、歯垢がたまり、むし歯をつくる率がたいへん高くなるといわれています。困ったことに、二次う蝕の場合は、初めてのむし歯のように激しい痛みがなかったりするので、知らないうちに冠の中で歯がボロボロになっていた、なんていうコワイことにもなりかねません。
 良い材料で、時間と手間をかけて、最高の治療をしたい。それが私たちの願いです。

口のしくみと働き
歯と口は「健康の入り口」です

 最近アゴの細いスマートな輪郭の顔がふえました。加工された柔らかいものが主流の食生活のせいです。噛む作業がなおざりにされ、アゴは未発達で、歯が32本生えそろうスペースがありません。この歯とアゴの不調和が、かみ合わせを悪くし栄養の消化吸収を妨げます。歯と口の構造を知って、噛むことがどんなに大切かを考えて下さい。

口のはたらき

 わたしたちは生きるためのエネルギーを食べ物から摂ります。口は食べ物が一番初めに入るところで、ここで物は噛み砕かれ、飲み込まれて胃に送られます。スムースな消化を助けるには、よく噛むこと、噛んで唾液をよく混ぜ合わせることが大事です。唾液は噛めば噛むほどよく出ますし、食べ物はおいしくなります。

歯とアゴの骨の不調和

 アゴを使わない食生活はアゴを細くします。歯の大きさは変わりませんから、歯とアゴは調和をなくしかみ合わせがずれます。かみ合わせがズレていると、十分に噛むことができません。歯が物を噛み砕くという役割を果たさないことになります。

あごが弱っています

 噛むことをあまり必要としない食生活はアゴやアゴの筋肉を弱くします。どんなに歯や歯周組織の病気を治療し、不正咬合を治しても、アゴや口を動かす筋肉や関節が衰えてしまうと、十分噛むことができません。また、心理的なストレスが加わると、アゴは緊張し、もっと困った状態になってしまいます。一度弱くなったアゴは簡単に元の丈夫さを取り戻せません。

 歯と口は「健康の入り口」です。専門医の定期的な診察を受けて、いつも歯と口をよい状態に保つことが、あなたの健康につながります。

ガムで『カム』力を
「噛む」ことは、脳や全身へ刺激を与えます

 「噛む」ことは、ただ食べ物の消化を助けるだけでなく、全身の健康に大きな影響を与えています。

(1)美しい顔立ちをつくる
よく噛む習慣のある人は、顔面組織の運動が活発で血液の循環もいいので、顔色のいい表情、豊かな顔立ちになります。

(2)大脳へ刺激を与える
噛むことで歯根膜(歯のクッション)が力を感知し、脳が噛む力を 調節します。噛むたびに脳で血液循環が行われ、記憶力、集中力、 注意力などが高まります。

(3)ストレスを吹き飛ばす
硬いものを噛む快感、おいしい食べ物を十分に消化できる爽快感は、ストレス解消となり、情緒的に安定させるといわれています。

(4)肥満を防ぐ
よく噛まないで食べると、脳の満腹中枢に「満腹」信号が伝わりにくく、満腹感が来る前にたくさん食べてしまいます。時間をかけてゆっくり食べることが肥満を防ぎます。

ガムからわかる「噛む」効果

 車を運転するとき、眠気覚ましにガムを噛みますね。そのようにガムには意外な効果があります。
 砂糖入りのガムはむし歯のもとですが、シュガーレスなら大丈夫、キシリトール100%がオススメです。食後のキシリトールガムはむし歯予防にも効果的です。ガムで「噛む力」をつけましょう

歯のはえる時期
6か月から生えはじめ2歳頃生えそろいます

歯はおかあさんの胎内で準備されます

 乳歯は人間にとって最初に生えてくる非常に大切な歯です。妊娠して2〜3カ月で、全ての乳歯の歯胚(歯芽)ができ始めます。4〜6カ月位の胎児の頃に、それが石灰化し始めるのです。そして赤ちゃんが生まれ、かわいい歯が生えてくるのは5〜10カ月の頃です。下の歯から順に生え、3カ月位遅れて今度は上の歯が生えてきます。全部で20本、だいたい生え揃うのは2歳半前後になります。
 永久歯との生えかわりの時期は、乳中切歯・6〜7歳、乳犬歯・9〜12歳、乳側切歯・7〜8歳、第1乳臼歯・9〜11歳、第2乳臼歯・10〜12歳です。

名 称

生える時期

ぬける時期

乳中切歯

生後6〜7ヶ月

6〜7歳

乳側切歯

7〜9ヶ月

7〜8歳

乳犬歯

16〜18ヶ月

9〜12歳

第1乳臼歯

12〜14ヶ月

9〜11歳

第2乳臼歯

20〜24ヶ月

10〜12

歯はなぜ生えかわるのでしょう?

 どうして人間は大人になるにつれて乳歯から永久歯へと生えかわるのでしょうか?体の他の器官が成長し大きくなるのに対して、歯は完全に元の歯が抜けてしまい、全く別の歯が生えてきます。不思議な感じがしませんか?体の発育にともなってアゴの骨も成長し、歯列のア−チも大きくなります。そうなると、やはり乳歯よりも強くて大きい永久歯が必要になり、生えかわるのではないかと考えられています。

歯に橋をかける『ブリッジ』

歯が1〜2本なくなったら、歯に橋をかけます

 歯の抜けたすき間は人工歯で補う必要があります。放っておくと他の歯までグラグラになってしまうからです。抜けた歯が1〜2本の場合は、その両隣の歯を土台にして、橋をかけるように人工歯を装着する方法がとられます。これが「ブリッジ」です。

 ブリッジは、見た目も元の状態と変わらず、使い心地も自然ですが、両隣の健康な歯を削らなければならないのが欠点です。しかし、最近では接着剤が発達したおかげで、土台になる歯をあまり削らずに済む「接着ブリッジ」という方法も行われています。

ブリッジに使われる材料にも色々あります。
○金銀パラジウム合金・銀合金
土台の歯にかぶせる金属冠の部分の材料。硬い材質なので精密な加工がしにくい。そのため、スキ間ができやすい。
○レジン(プラスチック)
人工歯部分の材料。レジンは、長い間には磨耗したり収縮や変色がおこる。硬質レジンもある。
*14Kを超える金合金・*白金加金合金
金属冠部分の材料。薄く伸びがよいため精密な加工ができる。スキ間ができにくいので、新しいむし歯に侵されにくい。
*セラミック
人工歯部分の材料。強く、色が自然。特に金属冠の上にセラミックを焼き付けた「メタルボンド」は、耐久性や色調にすぐれています。

*印の材料は耐久性にすぐれていますし、「接着ブリッジ」は歯への負担を非常に軽くしてくれるのですが、両方とも保険がききません。どの材料と方法を用いるか、それぞれの特徴を参考に、先生とよく相談して決めて下さい。

しのびよる歯周病
歯肉の炎症が歯周病のはじまり

歯周病(歯槽膿漏症)とはどんな病気でしょう?

・朝起きがけに、口の中が臭いませんか。
・歯ブラシを使うと歯ぐきから血が出ませんか。
・歯ぐきの先端が赤く腫れていませんか。
 もし思いあたるようなら、歯ぐきの病気にかかっています。
 そして・・・
・冷たいもの、熱いものが歯にしみます。
・歯がグラグラしてきます。
・歯ぐきがもり上がって歯にかぶさる、あるいは歯ぐきが後退して
 歯の根が出てきます。
放って置くと、最後には歯が抜けてしまいます。

歯垢からしのびよる歯周病

 歯の表面には粘り気のある薄い膜が毎日つくられていて、歯と歯肉の境目にたまってきます。これが歯垢で、生きている細菌の集まりです。細菌の出す毒素から歯肉に炎症が起こるのが、歯周病のはじまりです。

 歯垢を放置すると歯垢はさらに付着しやすくなり、状態は悪化してきます。特に歯肉でかくれた部分にたまった歯石に歯垢が付着すると、歯垢中の細菌は歯を支えている骨を侵していき、歯周炎を進行させ、歯が抜け落ちてしまいます。一般的に歯槽膿漏(しそうのうろう)と言われる症状とは、こういう事をいいます。

 そこでこの歯垢を完全に除いて清潔にすることが歯周病の予防であり治療の第一条件なのです。

タバコは歯の健康の大敵
歯肉が栄養不足になって歯周病に!

 タバコが歯の健康によくないことはよく知られていますが、ヘビースモーカーに歯周病で悩んでいる人がとても多いのです。タバコは口の健康にとっても大きなマイナスになっています。そのわけをチョッとくわしくお話しましょう。

色素が沈着して取れません
 タバコを吸い過ぎる人の歯を見ると、歯の表面はもちろん歯の裏側まで茶褐色になっています。これはタバコから出るタールが歯に付着した結果です。タールはふつうのブラッシングでは取れません。タバコの吸い過ぎは歯を不健康な色にします。

歯肉に大きな被害を与えます
 タバコに含まれるニコチンには、末梢血管を収縮させる作用があります。血管が収縮すると歯肉への酸素の供給量は減少し、歯肉は絶えず栄養不足状態になって歯周病にかかりやすくなります。また、タバコの煙に含まれる一酸化炭素は、身体にあるヘモグロビンと結合してビタミンCを大量に消費してしまいます。さらに、タバコを吸うと細菌を殺す白血球の機能が低下して、歯肉の病気を悪化させます。

逃れられない口臭の被害
歯周病が悪化して歯肉から膿が出るようになると、吐く息がとても臭うようになります。これは歯の周りのポケットにすみついた細菌が、メチルメルカプタンといういやな臭いのガスを放出するからです。タバコを吸うリスクをよく考え、歯の健康のためにも喫煙習慣の見直しをお勧めします。

歯と歯ぐきのしくみと役割
健康を支える歯と歯ぐき

 わたしたちは食物を摂り、エネルギーにして生きています。歯は食物を噛み砕くための大切な臓器です。 成人の歯は親知らずを含めて32本ですが、中年以降、残っている歯はどんどん減って、80才では平均わずか6本程度です。せっかく長生きしても、健康を保つための臓器が丈夫でなければどうしようもありません。歯のしくみとはたらきをよく理解し、歯をできるだけ長持ちさせて、おいしく食事をし、生き生きと毎日をおくりたいですね。

歯の形としくみ

表面のエナメル質とセメント質………歯は約3分の1が外部に、残りが歯肉の中に埋まっています。出ている部分の表面はエナメル質、人間の体のなかで最も硬いところです。歯ぐきのなかに埋まっている部分の表面はセメント質で、露出すると磨耗しやすい部分です。
象牙(ぞうげ)質………エナメル質とセメント質の内側が象牙質。カルシウムが少なく質がもろいため、むし歯がここまで進むと、その後は加速度的に進行してゆきます。
歯髄………血管と神経の部分。歯髄のなかには象牙質をつくる細胞があり、血管を流れる血液からたえず栄養と酸素が送られるために、歯を保護するはたらきをします。

歯肉のしくみと働き

歯は強い繊維の束である歯根膜によってしっかりとあごの骨に固定されていますが、歯肉はこの歯根膜やセメント質をおおって保護しています。また、歯並びが正常になるようなはたらきもしています。さらに歯肉のなかの神経や血管は、歯と歯のあいだからあふれた食べ物を、歯の内側に送るはたらきもしています。

大切な6歳臼歯
最初の永久歯、
六歳臼歯は歯ならびの「軸」です

 臼歯は、犬歯の後ろに並んでいる歯のことをいいます。他のどの歯よりも大きく、ガッシリしていて、そしゃく能力も一番大きい歯です。このうち、後方の大きいものを大臼歯といい、上下のアゴに左右3本ずつ生えています。
 その中の第一大臼歯と呼ばれるものが「六歳臼歯」です。「六歳臼歯」というニックネームがついている理由は、その名の通り6歳頃に生えてくるからです。この歯は最初の永久歯として生えてきます。ですからもう生えかわることはありません。

六歳臼歯は強くて働き者
 六歳臼歯は、食べ物を噛んだり、砕いたり、すりつぶすといった働きをします。そして、永久歯の歯列(大人のアゴや歯並び)のサイズを決める重要な役割も担っています。 もし六歳臼歯をむし歯で早々と無くしてしまったりすると、大人の歯並びのための『軸』をなくすようなことなので、歯列はガタガタになるともいわれます。このように六歳臼歯はとても大切な歯です。大事にしたいですね。

むし歯になりやすい六歳臼歯
 ところが、この歯が生えてくる年頃は、まだ歯磨きが下手で口に食べカスを残したり、お菓子の大好きな年齢でもあります。それに、この六歳臼歯はミゾも多いので歯垢もつきやすいのです。そのため、この歯は歯の中でも一番短命で、寿命は40年ともいわれています。くれぐれもむし歯や歯周病にならないように気をつけましょう。

六歳臼歯を守るには
 六歳臼歯が生えはじめたら要注意。約半分ほど生えた状態でもむし歯になります。六歳臼歯は奥にあるので歯磨きにも特に気を使って下さい。歯の定期検診をうけて、よく診てもらうようにしましょう。また、定期的に検診を受けてください。半年に 一度位診てもらうのがベストです。

歯にかぶせる人工歯『クラウン』
むし歯の進行がひどいとき、根を生かしてかぶせます

 むし歯の進行がひどく、歯髄(歯の神経と血管)まで侵されてしまったら、歯の大部分を切り取り、歯髄も取らなければなりません。歯は死んでしまいますが、まだ根はちゃんと残っています。こういう歯にかぶせる人工歯が「クラウン」です。

自然の歯に近い色に

 クラウンをしっかり装着するために、歯の根に、土台となる杭(これを「支台」と呼びます)を立て、そこに元の歯と同じ形につくったクラウンをかぶせます。奥歯には、金属のクラウンをかぶせることが多いのですが、目にふれやすい前歯などには、前面を自然の歯の色に近い陶材や合成樹脂でおおったクラウンを用います。これを「前装冠」といいます。最近では、金属を使わないガラスやセラミックのクラウンも現れています。

クラウンには色いろな材質のものがあります。

○レジン前装冠 
金属にレジン(プラスチック)を貼りつけたクラウン。プラスチックの部分が磨耗し、変色しやすい。(保険治療)
○金銀パラジウム合金・銀合金        
硬い材質なので、精密な加工がしにくい。そのためスキ間ができやすい。(保険治療)*ポーセレン前装冠(メタルボンド)      
セラミックを七宝焼のように金属に焼き付けたクラウン。自然の歯の色に近く、強い。*金合金 *白金加金合金       
薄く伸びがよいため、精密な加工ができる。スキ間がないので新しいむし歯に侵される心配がすくない。
*印のタイプは耐久性にすぐれ、品質も高いのですが、保険がききません。どのタイプのクラウンを使うか、各々の特徴を参考に、先生とよく相談して決めて下さい。

クラウンをかぶせて修復した後は、天然の歯以上に手入れをしましょう。それがクラウンを長く快適に使い続けるコツです。

歯がしみる時がありますか?
歯の神経が炎症を起しています。
温かいものや熱いものがしみますか?

噛みしめると痛い、温かいものや熱いものを口に入れるとしみる、何もしないのにズキズキ痛む、そんな症状がでたら歯の神経が炎症をおこしています(歯髄炎)。急いで受診して下さい。歯髄炎は、むし歯が歯の神経(歯髄)に届くほど大きく深いとき、むし歯菌や毒素が歯の神経に入り込んでいます。むし歯になっていない歯でも、歯の神経が通る根の先端部にある小さな孔(根尖孔)からバイ菌や毒素が歯の神経に侵入すると、同じように歯髄炎をおこします。

痛みがなくなっても危険!

歯の神経の炎症がひどくなるとズキズキします。しかし、この痛みはしばらくするとなくなります。でも、安心してはいけません。そのままにしておいては大変危険です。痛みはなくなっても歯の神経にはもう細菌が侵入しています。放っておけば神経はくさって死んでしまいます。そして、炎症はまわりの組織にまでひろがり始めます。できるだけ早く、悪くなった神経を取り除いて、あなたの歯を守らなければなりません。神経が死んでもきちんと処置すれば、歯を抜かなくてすみます。
 歯の大切さをよく自覚して、いつまでも自分の歯で過ごせるよう根気よく治療を受けて下さい。

ズキズキ痛んだりお湯がしみたら『歯髄炎』が疑われます。
急いで受診してください。

子供の虫歯予防処置

子供の歯は虫歯になりやすく進行も早いので、積極的な虫歯の予防処置が効果的です。

●フッ素塗布
フッ素は歯をかたくして、虫歯を予防することができます。特にはえて間もない頃の歯には有効的ですが、フッ素を塗ったからといって効果は永久的ではありません。定期的に歯科医院で塗布をして、ご家庭でもフッ素入り歯磨き剤をお勧めします。

●シーラント
奥歯の溝の部分には非常に食物がたまりやすく、歯ブラシが届きにくいため歯がはえてもすぐに虫歯になってしまいます。そこで、虫歯になる前に溝の部分に歯を削らずにレジン(プラスチック)という素材を埋め込む処置(シーラント)を行い虫歯になりにくくします。

●キシリトール
キシリトールは世界中の国々で、予防効果と安全性が認められています。普通の砂糖などは、虫歯菌に分解され、「酸」を作ります。この「酸」が歯を溶かして虫歯を作ります。一方キシリトールは虫歯菌に分解されないので、虫歯の元の「酸」は作られません。キシリトールを取ることで口の中の虫歯菌が減り、結果として虫歯予防につながります。
製品に含まれるキシリトールが多いほど予防効果が高くなります。含まれる割合が50%未満では効果がなく、他の糖分が入っていれば効果は半減してしまう事も覚えておきましょう。お菓子類を選ぶときは確かめて下さい。

●仕上げみがき
子供が一人で上手に歯をみがけるようになるまでは、保護者の方の仕上げみがきが必要です。歯と歯のすき間、歯の裏側、奥歯のみがきにくい所などは、ていねいにみがいてあげてください。毎日の仕上げみがきがお子さんの歯を守ります。
                                                                     
歯は健康のパートナー

人間の体の中で一番かたいところはどこだと思いますか?まじめな顔で「頭」と答える人もいます。それはそれとして、本当に一番硬いのは「歯」なのです。歯の一番大切な役割は、ものを噛むことです。普段食べ物を噛むとき、歯には想像以上の力がかかっています。

                     (東京歯科大の調査)
するめ せんべい チューインガム
最大値 19.8kg 14.8kg 20.0kg
最小値 12.4kg 8.5kg 7.6kg

歯が一本なくなると・・・?
 奥歯が一本なくなると、ものを噛む力が半分以下になってしまうといわれています。噛む能力が低下すれば胃に負担がかかり、胃腸の病気を引き起こす原因にもなってしまいます。

自分の歯が何本あるかご存じですか?
 私たち人間は、生まれて6ヶ月くらいたつと2本の歯がはえてきます。3歳になる頃には20本、6さいころには24本で、その中には大人の歯「六歳臼歯」も含まれています。12さいころになると28本になり、成人になると親知らずも含めて32本になるはずなのですが・・。あなたの歯は何本ありますか?

 20本の歯があるかないかを境に、噛む能力がとても違ってしまいます。よく咬めることと元気な体は表裏一体。歯がなくなってからでは遅いのです。あなたの歯を守るのはあなた自身。正しいブラッシングと歯科医院での定期的な診査・メンテナンスで、大切な歯を守りましょう。
                                
                                 
どうして虫歯になるの?

口の中には虫歯菌が済んでいます。虫歯菌は歯のすき間などに残った食べかすを食べ、糖分を分解してネバネバした歯垢(プラーク)を作り、その中で増えます。さらに、虫歯の原因となる酸を作り、歯を溶かします。歯垢の付着は素早く、食事のすぐあとから始まります。
 但し、口の中にはいつも唾液が流れていて、歯に着いた汚れも洗い流しています。また、歯いったん溶けだしても唾液の中からカルシウムやリンなどを取り込み、再石灰化して元気に戻る力を持っています。でも、歯磨きをしないで古い歯垢をためていたり、甘いものをたくさん取る習慣があると、再石灰かが追いつかず、虫歯になってしまいます。
 
食事中は唾液がたくさん出るようによく噛んで食べ、食べたらすぐに歯を磨きましょう!

 虫歯菌が好きなところ・・・。
・歯と歯の間
すき間は汚れが深く入り込み、虫歯菌にとっては最高の繁殖場所!虫歯菌は汚れを養分にしてどんどん増えます!
・歯と歯がかみ合う面の溝
奥歯はよく使う歯なので汚れやすく、特にかみ合う部分の溝は汚れ がたまりがちで、虫歯菌のすみかに!
・歯の生えぎわのくぼんだ部分
歯と歯ぐきのさかいめで、歯ブラシが当たりにくい所です。ここに虫歯菌が住みつ いてしまいます。
歯科のグローバルスタンダードは健診と予防

●4:1この格差!  
日本の12歳の子どものむし歯の数は平均は4本、オランダの子どもの平均は1.1本です。 歯科先進国オランダでは20数年前に医療改革に取り組み、「予防」に本腰を入れて、 むし歯の大幅な減少に成功しました。同じ頃、日本では歯科医師を増やして治療中心の 解決を計りましたが、その結果はこの数字が示すとおりです。歯科も健診を定着させ、 予防を徹底すれば、今のように医療費で国や患者さんが膨大な負担で苦しまないで済んで いたはずで、国の予防に対する姿勢の違いを思い知らされます。予防こそ現代歯科医療の グローバルスタンダード(国際基準)です。

●もっと歯にこだわりを  
具合が悪くなってから治療を受けることのくり返しで28本あるはずの歯が高齢を迎えると、 「歯ナシ」の状態になってしまい、お年寄りは歯がないのが当たり前と考えている人がほとんど です。予防の視点から言えば子供を産むときから生まれてくる子に丈夫な歯を、生まれてからも 「むし歯をつくらせない」お母さんの気持ちと科学的知識が必要なのです。歯は生命の基本です。 自分の歯は自分で守るという患者さんの自覚が人生を充実させる決め手になるでしょう。 もっと「歯にこだわって」いきたいですね。

●健康維持のために歯科健診を  
私たち歯科医師もこの地域で、患者さんとご一緒に一生患者さんの歯に責任をもって、健康管理者 としてお役に立ちたいと考えています。私たちは、毎日働いている歯に感謝を込めて、お誕生日 検診をお奨めしています。健康を維持し守るためにこそ、来院していただきたいと思っています。
                                    
                                              
『歯のエステ』・審美歯科の話  

審美歯科をご存知ですか?案外口許コンプレックスの方が多いのでは?歯の色が黒ずんでいる、歯並びが悪い、口が臭う、笑うと歯グキがすっかり見えてしまうなど、そんな悩みにお答えするのが「歯のエステ」・審美歯科です。  痛いから駆け込む今までの歯科とはちょっと違います。もう一歩進んで、あなたも美しい笑顔を自分のものにしましょう!

■嫌われる八重歯  
チャームポイントの八重歯も、中国や西洋では不吉な歯として嫌われます。特に歯への美意識が高い欧米では、親は子供の歯の矯正に時間とお金をかけます。良い家庭の子女は良い歯並びが条件なのです。

■「若返り」の秘訣  
笑った時口許がギラリと光る・・・年を感じませんか?やはり天然の歯に近い自然な色が一番です。昔とちがい、金歯が富の象徴にはなりません。

■健康なピンクの歯肉  
笑った時健康なピンクの歯グキが見えるのは良い 感じですが、黒ずんでいたり見えす過ぎたりする のは考えものです。どちらも歯科治療の対象です。一人で悩まずに、ドクターに相談しましょう。

■年齢それぞれの歯のエステ  
歯のエステは若者だけの専売特許ではありません。年輩の方には、その年齢にふさわしい歯並びや色調があります。たとえ入れ歯でも、人に入れ歯と気づかれないほど、ぴったり合っていて、笑顔がとてもステキだったら、歯のエステとしては完璧です。

■歯の色についての悩み  
鏡で自分の歯の色を注意して見たことがありますか?歯の色も個人差や年齢による変化があるのです。でも歯が全て黒ずんでいたり、歯の面に茶褐色のスジが沢山ある時は、ドクターに相談してみましょう。簡単な治療で治ることもあります。

■歯の形と個性
上の中切歯は自分の顔形を逆さにした物によく似ています。角張った顔の人は角張っていますし、丸顔の人は丸形です。歯にまでその人らしさがあらわれています。 「歯のエステ」はあなたの生活のプラスアルファーです


毎日何回歯を磨いていますか?

歯周病を予防するには、歯を正しく磨くことです。

あなたは歯磨きにどれくらいの回数と時間をかけていますか。多くの人は、1日1回位、歯磨きタイム1分以内といった統計もあります。これではお義理程度の歯磨きで、磨いたことにはなりません。 また、歯はただ磨けば良いというものではありません。磨き方によっては、歯や歯肉を痛めかえって病気の原因になる場合が多いのです。

歯磨きは、歯の表面に付着した歯垢(細菌の巣くつ)をとり、口臭を消し、歯肉をマッサージして血行を良くし、組織を強めるために行うものですから、歯の磨き方の正しいテクニックをマスターしていただくことが必要です。 歯をじょうずに磨くことで、歯は丈夫になり、たとえ歯肉炎(炎症が歯肉に起こった病気)などがあっても治ってしまうこともあります。

歯の磨き方にはいろんな方法があります。肝心なことは、いつ、どのような方法で、どれくらいの時間をかけるかです。 歯は少なくとも、朝と晩に、磨き方を変えて行うと効果があります。『歯と口の中の細菌類を無くし、歯ぐきのマッサージをするのは夜』といったように組み合わせることです。このためには歯間ブラシやデンタルクロス(糸はみがき)など用途に応じた歯ブラシが必要になります。
下の前歯の裏側は歯石や歯垢のたまりやすいところです。また 奥歯の側面と溝、裏側も特に注意して磨いてください。

歯とからだの全体の関係

むし歯や歯周病が全身的な病気の原因に

人間のからだは血液・リンパ腺・神経などによってすべての器官が連絡しあっています。からだのどこかに故障が起きると、他の関係ないところまで影響があらわれます。歯の場合も同じです。むし歯や歯周病が全身的な病気の引き金になることもあるのです。


歯科の2大疾患であるむし歯と歯周病は、細菌感染症なので、その細菌が全身に影響を及ぼし、(病巣感染といいます)心臓病や糖尿病、胃腸障害など、循環器や消化器系の病気の発症や進行に重大な影響を与えることがわかってきました。ある研究では、歯周病患者の心臓発作、早産の率が極めて高いという報告もあります。歯周病が口の中だけでなく生命の危機につながる、全身の健康を左右していることは確実です。

歯が1本なくなると噛む力は半分に…

 歯の一番大切な役割はものを噛むこと。奥歯が1本なくなると、ものを噛む力が半分になります。噛む能力が低下すると、胃に負担をかけ胃腸病をひき起こします。長い間には胃潰瘍や胃ガンの原因にもなります。

「ガクカンセツショウ」という病名を知っていますか?

歯は上下16本ずつが、微妙なバランスできっちりかみ合って健康を保っています。このかみ合わせが不調和になると、偏頭痛や耳鳴り腰痛、手足のしびれ、肩こりや視力障害などの原因となり、いつも不快な症状に悩むことになります。

卑弥呼は何を食べていた?

比べてみました。
時代別食事時間と噛み噛み回数
アゴはどんどん小さくなっている

 人類の歯とアゴは、昔と比べてどんどん小さくなっています。その理由は、人類の進歩すなわち火を発見し、あぶったり炊いたりして食べるようになって食べ物が変わり、その結果ムシャムシャ噛む回数が減ったからなのです。特にアゴの方が歯よりも急激に小さくなったため、歯が狭いアゴに並びきれなくなって乱ぐい歯や出っ歯になったりするのです(不正咬合といいます)。アゴがすっきり細面の現代っ子が、ニッと笑うと八重歯がニョキっというのはチャーミングかもしれませんが、決して健康的ではないのです。

卑弥呼の食事時間は51分3990回も噛んでいた

 邪馬台国の女王卑弥呼は弥生時代の人。       

神奈川歯科大学の斎藤滋先生がそのころ(紀元189 年頃)の食事を再現しました。

献立をみると、 
主 食‥‥蒸したもち米(玄米1合)木の香‥‥くるみ2個、クリ2個 
香の物‥‥ノビル2個、もろみ少々
干物‥‥コマイ半匹 
煮 物‥‥長芋2切れ       焼 物‥‥アユの塩焼き2匹   
潮 汁‥‥ハマグリ2個             

 けっこういいものを食べていたんですね。しかしとても固い。この食事を女子大生に試食してもらったところ、なんと51分、約4千回噛みつづけてギブアップだったそうです。上の表を見てください。将軍徳川家康は、美食家として知られていますが、実際にはかなり質素な食生活だったようです。それでもかなり軟らかい食事です。

 さて現代人はといえば《献立》コーンスープ1杯・ハンバーグ1個・ スパゲッティ半皿・ポテトサラダ少々・プリン1個・パン小2個。カタカナのメニューです。食事時間は11分噛む回数 620回、これではアゴは鍛えられないですね。

キシリトールの話

むし歯の原因“酸”をつくらない甘味料

 厚生省は1997年、キシリトールを食品に使用することを認可しました。店頭にはたちまちキシリトール入りのお菓子が並びました。テレビCMにも大々的に登場し、「むし歯予防」商品の「定番」になっています。

キシリトールは天然素材甘味料
(1)多くの野菜や果実に含まれている天然の甘味料です。
 (例えばホウレンソウ100g中には107mg含まれています。)

(2)砂糖と同じくらいの甘さがあります。
(3)カロリーは砂糖の4分の1です。
(4)血糖値に影響を与えないので、糖尿病患者さん向けの医療品原料としては、
 以前から使われていました。キシリトールは世界中の国々で、むし歯予防効果と安全性が認められています。

ネバネバせず、“酸”をつくらない

砂糖などの糖分は、口の中でむし歯菌によって分解され“酸”をつくります。この“酸”が歯を溶かしてむし歯をつくるのです。むし歯菌の住みか「プラーク」はネバネバしていて、歯を磨いても落ちにくいものです。しかし、キシリトールはむし歯菌に代謝されないため、菌は“酸”を生成しません。“酸”ができにくくなると、プラークは歯みがきすれば落ちやすくなります。また、むし歯菌の発育を抑えたり、エナメル質の再石灰化にも効果があるといわれています。

キシリトールはミラクル食品?

では、キシリトールが入っているお菓子はすべて良いかといえばそうではありません。キシリトールが入っていても、他の糖分が入っていれば効果は半減します。キシリトール自体も50%以上入っていないと効果がありません。キシリトールの優れた性質を有効にするためには、チューインガムやタブレット、歯みがき剤などが望ましいといわれています。お菓子類を選ぶときにはよく確かめてください。

親知らずの話(1)

いちばん最後に生える第三大臼歯

 永久歯上下28本が生え揃うのは12歳頃です。そのあと早い人で14歳頃から、中には20歳を過ぎてから、歯列の一番奥に第三大臼歯が生えてきます。他の永久歯と比べ、生えてくるのがとても遅く、親が手をかけて育てる時期を過ぎて、親の知らないうちに生えるというので『親知らず』と呼ばれています。知恵がついてから生えるというので『智歯』ともいいます。

正しい位置に生えないのはなぜ?

生えていない親知らずをそのままにしておくと

 歯は支えがないと前方か上方に伸びようとします。(ゴードンの法則)。そのため親知らずは常に前にある第二大臼歯を圧迫します。その影響で歯列全体が侵され、歯並びが悪くなります。

また、第二大臼歯の親知らず側の歯根は、埋もれた親知らずによって絶えず圧迫され溶けて吸収されてしまいます。こうなると第二大臼歯を抜歯しなければなりません。

さらに、上下左右4本ある親知らずが、2本あるいは3本しか生えていない場合噛み合う歯がないので歯肉などにあたり、その部分に腫瘍ができることもあります。


親知らずの話A


親知らずがもたらす痛み

「下顎智歯周囲炎」








 親知らずが半分だけ頭を出した状態では、親知らずとその前方にある歯との間に食べカスなどがたまります。歯をみがいただけではなかなか取れません。こういう状態で歯と歯肉のあいだの深い溝に食べカスなどが入り込むと、それが口中の細菌によって腐敗し、周囲の組織に炎症をおこします。

 また、生えている親知らずの後方にある歯肉が親知らずにかぶさるようになっていても、親知らずと歯ぐきの間に食べカスがたまって炎症がおきやすくなります。

 この炎症が『下顎智歯周囲炎』です。

場合によっては入院も

 下顎の親知らずの周りの組織は炎症が広がりやすい構造にできていて、感染をそのままにしておくと周囲にどんどん広がります。ほおが腫れる、アゴの下が腫れるなどの症状や痛みがおき、ひどくなると、のどにまで炎症が広がり、ものが飲みこみにくくなります。

 炎症がアゴの周囲の筋肉にまで広がると、口が開かなくなることもあります。さらに炎症が進むと、発熱や悪寒などの症状まであらわれます。場合によっては入院が必要になることもあります。親知らずの炎症と簡単に考えてはいけません。もし腫れるようなことがあったらすぐに歯科医院を訪れて下さい。

*下顎智歯周囲炎の進み具合によっては、親知らずを抜歯しなければならないこともあります。

親知らずの話(3)

親知らずは本当に抜いた方がいいの?

 最近の歯科医療の傾向として、できるだけ歯を抜かないということが言えます。親知らずも例外ではありませんが、さまざまな理由で抜歯せざるを得ないことが他の歯よりは多いのも事実です。

<こんな時は、やむを得ず抜歯します>


Bむし歯や歯周病はさほどでもないが、あまりにもお口の奥の方に親知らずが生えていて、
歯みがきが不可能なとき(むし歯を治しても、必ずもう一度むし歯になってしまいます)。

Cちゃんと生えきらずに、半分歯ぐきの中に埋まっていて、しばしばその周囲に
痛みが出る様なとき(急に痛くなったり、腫れたりする恐れがあります)。

<抜かない方がいい時とは>

@ブラッシングによって、ある程度、清潔さを保てるとき。
(虫歯や歯周病を治して、歯を保存しましょう)

Aちゃんと生えきっていないが、今まで一度も痛くなったことがないとき。
(ただし、歯科医院の判断で今後問題が起こることが予想される時は、抜歯を
おすすめする場合が
あります)

 これらの親知らずは、大切にとっておいて、将来、ブリッジや義歯の支えとして使ったり、他の奥 歯を失った時に、そこに親知らずを移動して使ったりできます。

 しっかり歯みがきを続けて行きましょう。

歯がしみる!

それは知覚過敏です








治療法としては、露出したセメント質の知覚を鈍くするために、

@セメント質の部分に薬を塗る。
Aセメント質の部分に対し特殊な電流で歯の質を強くする。
B歯根の露出面をコーティングして刺激が伝わりにくくする。


1回で完全に良くなることはないので何度か試してみて下さい。最終手段は神経を取ることですが、これは避けたいことです。
くさび状欠損

●くさび状欠損とは

歯みがき剤を使い、長期間横なぐりに磨いたことなどにより、歯の質が削られ、ついには歯の神経(歯髄)近くまで達することがあります。

・不適切なブラッシング  ・不正なかみ合わせ  ・プラーク

  この結果 →         
                        
                                            このような状態になると
 
                                                  ↓

 

 

 

 

 

 


定期的に歯石の除去を

歯石除去は、歯と歯ぐきを病気から守ります

 歯を支えている周りの組織が病気になった状態を歯周病といいます。歯周病もむし歯と同様、食べ物のカスについた細菌が歯の表面に歯垢(しこう)、プラークとなって取り付き、それが引き金になって起こります。

 歯垢は正しい歯のみがき方の指導を受け、きちんとしたブラッシングをすることでかなり取り除くことができます。でも、この歯垢をそのままにしておくと、歯肉と歯の間に歯石ができてしまいます。

 歯肉の下に隠れた歯垢や歯石は専門家に取ってもらわなければなりません。これを歯石除去(スケーリング)といいます。

歯石とスケーリング

 スケーリングをすると、歯と歯の間にすきまができて、かえって悪い結果になったように思われる人もいますが、それはたいへんな誤解です。むしろ今まで歯がピッタリしていたのは、歯の間に歯石がはりついたからなのです。

 スケーリングは、歯と歯ぐきを病気から守る有効な方法です。

 歯の表面についたプラークに、唾液中のリンやカルシウムがまじって石灰化したものが歯石です。

 非常に硬く、自分ではとれません。専門家に超音波スケーラーやキュレットなどの特殊な用具を使って取り除いてもらいます。

定期的にスケーリングを!

 歯石は一度きれいに取り除いても、また長い間にはたまってきます。正しいブラッシングを心がけることが第一ですが、やはり定期的な検診を受け、そのとき一緒にスケーリングを受けるのが最善です。

 30代になったら年2回はスケーリングを受けて、歯周病の予防につとめて下さい。

プラスティック(レジン)充填


小さなむし歯は1回治療で治ります


 小さなむし歯を削り取った後、特殊な接着剤を用いて、その部分に歯と同じ色のプラスチック(レジン)をつめる治療法です。(保険で治療できます)

 前歯から奥歯まで、小さなむし歯ならほとんどこの方法で治せます。1つのむし歯を1回の治療で治せるので、治療期間が短いのが特長です。


とても便利なレジン充填ですが、

 1.数年で色が変わってくる。(目立ってきたら再治療がよいでしょう。)

 2.個人の歯の色は千差万別なので、どうしてもピッタリ合う色がない人がいる。

 3.奥歯と奥歯の間にできたむし歯には用いることができない。

 などの欠点もあります。

部分床義歯

歯が連なって抜けてしまったら、部分的な入れ歯を

パーシャル・デンチャーって何・・・?

何本かの歯が連なって失われている場合は、そこを部分的(パーシャル)な入れ歯(デンチャー)で補います。これがパーシャル・デンチャーです。パーシャル・デンチャーは取りはずし式の入れ歯です。床(しょう)と呼ばれる土台の上に人工歯が並んでいて、床についているバネで、支えとなる歯(維持歯)に取り付けられるしくみです。




 維持歯はパーシャル・デンチャー全体を支えるために、大きな負担を受け、虫歯や歯周病に侵されやすくなります。その弊害をなくすために、最近ではバネの部分に工夫がなされ、「コーヌス冠」などの技法が開発されています。


パーシャル・デンチャーの各部に使われている材料には色々なものがあります。

○床の材料         レジン(合成樹脂)……長い間には収縮や変色がおこる。やや弱い。

              *金属…薄く加工できるのでフィット感が良い。強い。

○人工歯の材料       レジン(合成樹脂)……陶歯 硬質レジン

○バネの材料        金銀パラジウム合金……材質が硬く、維持歯にかける負担が大きい。

              *金合金(14Kを超えるもの)
               *白金加金……天然の歯に近い硬さなのでよくフィットし維持歯にかけ               る負担が少ない。 

*印の材料と「コーヌス冠」は品質も使い心地も良いのですが、保険がききません。どの材料と技法を用いるか、各々の特徴を参考に、よく相談して決めて下さい。

総義歯(全部床義歯・フルデンチャー)

歯が1本もなくなってしまったら、総入れ歯を

「フルデンチャー」とは、総入れ歯のことです
うまく使いこなして、食べることの楽しさや若々しさをとりもどしましょう。でも、人工物ですから違和感はつきもの。お口がそれに慣れるには少し努力がいります。使い方を習い、一日も早くあなたの身体の一部にしてください。

フルデンチャーの各部を作る材料にもいろいろな種類があります

床の材料       レジン(合成樹脂)……厚く、大きくなるため違和感がある。やや弱い。

           *金属(金合金・チタンなど)……強くて薄く作れるので違和感が少ない。

                           密着性が良い。熱の伝わり方が自然。

人工歯の材料     レジン(プラスチック)……色に限りがある。長い間には変色する。

           *セラミック*硬質レジン*白金加金合金……歯も歯ぐきの色もあなたの自

                               然な色にあわせられる。丈夫。

           *印の材料は耐久性にすぐれ、使い心地も良いのですが、保険がききません。どの材料を用いるか、それぞれの特徴を参考に、よく相談して決めてください。

長く快適に使い続けるにはお手入れが肝心!

 はずした後はていねいに磨き、お口の中もきちんとブラッシングしましょう。歯ぐきがやせると、入れ歯が合わなくなります。定期検診もお忘れなく。もちろん、どこかに当たる、噛めない、発音しにくいなどの不都合があるときは、遠慮なくドクターに申し出て下さい。

気になる口臭
口臭の三大原因

 本人は意外と気付かないものですが、口臭は他人に大変な不快感を与えます。口臭の原因にはいろいろありますが、そのほとんどが口の中にあり、次の三種類に分類されます。

      @起床時やストレス等による生理的口臭

      A歯周病や胃腸疾患などによる病的口臭

      B酒、タバコ、にんにくなどの外因的口臭

 三種類の中で70%以上と一番多いのは、歯や舌などの口の中の汚れによる生理的口臭です。口の中で細菌がニオイの元となる成分を生産し、口臭を発生させるのです。細菌は唾液の分泌が少なくなる空腹時や起床時、緊張時など、口の中の自浄作用が低下した時に増殖します。

 その次に、歯科医院で治療を受けないと消えない病的口臭は、虫歯、歯周病(いわゆる歯槽膿漏)が主な成分です。また、口以外の病気が原因で口臭になるのは、咽頭、へんとう炎、呼吸器、消化器の病気、糖尿病などです。

 また「自臭症」といって、自分が「口臭がある」と思い込んでいる場合もあります。

あなた自身で

 口臭をチェックしてみませんか

口臭により、あなたにあった解決方法を提案します。

 口臭予防の基本は、口の中を清潔に保つことです。つまり、原因となる病気があれば、まずそれを治療し、歯科医院でブラッシング指導と、定期的に専門的なクリーニングを受けることです。

口の中の汚れは、日々のブラッシングを丹念に行えば、ほとんど解消することができます。そのうえ、虫歯、歯周病の予防にもつながります。

むし歯と歯周病

音もなくしのびよってくる歯の病気

組織をなくしてしまう病気

むし歯と歯周病は、「歯の二大疾患」と呼ばれています。これらの疾患には次のような特徴があります。

1.いったんむし歯や歯周病にかかったら、自然に治癒することは期待できません。
2.むし歯や歯周病は組織をなくす病気で、失った組織は元通りには回復できません。
3.かなり進行しないと、自覚症状が現れません。
4.進行すればするほど、複雑な治療が必要になり、治りにくくなり、再発しやすくなります。
5.失われた歯は義歯やインプラント(人工歯根)で補うことができます。しかし義歯は、機能、快適さ 、審美性において自分の歯とは比較になりません。インプラントも盛んですが費用と現状ではいまの段階では問題なしとは言い切れません。

徐々に進行する「サイレント・ディジーズ」

 むし歯は表面のエナメル質から始まりますが、エナメル質には神経が分布していません。象牙質に進んでも表層は神経がばらばらで痛みを感じないでさらに進行します。

 歯周病もサイレント・ディジーズ(音もなく忍び寄ってくる病気)と呼ばれ、さまざまな症状が起きるのですが、徐々に進行するので自覚しないまま経過する場合が多いのです。

常に普段の生活習慣に気をつけ、最適最善の状態に保つ心がけが大切です。

歯周病の原因と症状
「食べかす」から始まる歯周病

細菌とたたかうときできる歯肉炎

 歯と歯肉の間にたまった歯垢が、歯周病を起こす細菌の固まりです。その名は、「ポルフィロモナス」と「フゾバクテリウム」。歯肉の毛細血管が拡張、増生して白血球が流れ出して、これらの細菌とたたかうときに歯肉に炎症が起こります。これを歯肉炎といいます。

ポルフィロモナス・ジンジバリス  フゾバクテリウム・ヌクレアトム

歯肉や骨が破壊される歯周病

 歯肉炎となり炎症がおきた部分は、歯ブラシなどで強く磨くなどちょっとした刺激で出血します。しかし、歯肉炎はブラッシングの改善でなおります。
 この歯肉炎が長く続くと歯肉や歯を支える歯そう骨という歯周組織を破壊し歯周病となってしまいます。歯周病は、種々の症状を引き起こします。

始まりは出血と腫れ

 歯周病の症状は次のように進んでいきます。
これらの症状に心あたりのある方、ぜひお早めに診査をお受け下さい。

1.歯肉が赤くなる    4.歯肉からの出血
2.歯肉が腫れる     5.歯肉が後退する
3.歯と歯肉の間の溝   6.水やお湯がしみる
 (歯周ポケット)が   7.膿が出る(口臭がする)
   深くなる       8.歯がグラグラする

歯周病の原因について

歯周病の原因は大きく分けて3つあります。

@「歯垢(プラーク)」などに住みつく細菌

 「プラーク」はブラッシングで、「歯石」はスケーリングで、歯の周りを清潔にしましょう。

A個人の体質

・しっかり歯みがきをしているのに、歯周病になってしまう人

・あまり歯みがきをしないのに、歯周病にならない人 がいます。

これは、細菌に対する免疫力や、口の中に住む細菌の種類が個人個人で違うからです。

B歯にかかる力による影響

・かみ合わせが悪い

・歯ぎしりなどの習慣

・多数の歯を抜かれてしまい、残り少なくなった人

・奥歯ですり潰すように噛む人

歯周治療の目的


どんな歯ぐきを目指すのか?

状態の悪い歯ぐきとは
歯ぐきが
@プヨプヨ腫れて歯と歯の間が肉で満たされている(色は赤っぽい)
A歯ブラシやつま楊子で簡単に出血する
B口臭あり
C歯ぐきが痛がゆい、うずく
D歯がグラグラする、歯ぐきに膿をもつ(これはかなり症状がすすんできた時)



このような歯ぐきを
・歯科医院での特殊な清掃
・ご自分での毎日のブラッシング
・生活習慣の改善
・時には麻酔をして、外科的な清掃
・かみ合わせや銀歯の改善 etc 

   で次のような状態にもっていくのが歯周治療です。


状態の良い歯ぐきとは
@歯ぐきは固く引きしまってピンク色
 (引きしまった分、歯と歯の間に少し隙間が少しできる事あり)
A歯ブラシやつま楊子などで歯ぐきをつついても出血しない
B口臭がせず、口の中がさわやか
C歯ぐきがうずかない、歯と歯の間の風通しが良い
D歯がグラグラしない、膿も出ない


歯周病を予防する方法


食生活や歯みがきなど、生活全般から予防を

栄養のバランスや、よく噛むことも大事

 歯周組織の健康増進を図りましょう。

 歯周組織も身体の一部ですから食事・運動という普段の生活習慣を確かなものにしましょう。ビタミンA,B1,B2,Cの複合体、良質なタンパク、またカルシウム、鉄、リンの欠乏には常に注意することが大切です。歯周組織の活性化を促すために硬い食べ物を選択することも必要です。ガムなどは噛む回数を増やすのに大変便利です。
 また、“食べかす”が歯面につかない食べ物を選び、発酵糖質を避ける必要があります。

歯周病になりやすい環境

・喫煙習慣(ビタミンCを破壊します)
・高カロリー、高脂質、高タンパク質(小魚、海藻、大豆製品を摂らない人)
・朝食抜きでファストフードでソフトな食品(食生活が不定)
・ストレスを常に感じている人(仕事、人間関係、家庭)
・運動量の少ない人

 これらのことに思いあたる方はいませんか?

歯みがきが大切です

 毎食後の歯みがきは、ただ何となく磨くのでなく、歯肉の血液循環を促す磨き方をして、常に「磨けている」状態を保つことが大切です。

歯ブラシにもさまざまな種類がありますので、効果的に使いわけましょう。


女性の歯と口の健康

健康な美しい歯で、人生を豊かに

妊娠とお口の健康

○妊娠5週から9週には、もう乳歯の形ができ始めます。永久歯も妊娠3〜4カ月から生後8〜9カ月の間にでき始めるのをご存知でしょうか。

○歯の質の良し悪しは、家系や生育環境で左右されますが、妊娠中に栄養をバランス良くとることも、とても大切です。丈夫な歯をつくるには、カルシウム、リン、タンパク質はもちろん、ビタミンA、C、Dなどが必要です。

○よく「おなかの子にカルシウムをとられて母親の歯が悪くなる」といいますが、それは根拠のない 通説です。むしろ甘いものを食べる機会が増え、歯みがきがおろそかになり、さらにホルモンの変化 で唾液の酸性度が高まり、むし歯になりやすい状況になるためです。出産後、心身ともに健康で子育てができるよう、妊娠中はいっそうていねいな歯みがきを実行しましょう。

全身症状と歯の健康

○歯のトラブルが原因で、肩こり・イライラ・頭痛・胃の痛みなどがおこることがあります。また、偏頭痛や耳鳴りにもアゴの関節や歯並びが関係している場合があります。不定愁訴が強いときは、歯の健康診断をお勧めします。

○女性のからだは、微妙なホルモン変化の影響を大きく受けます。妊娠はその典型で、閉経も同様です。生活を豊かに楽しく過ごせるよう、いつもお口の健康に配慮して下さい。

女性と審美歯科

○歯の健康は、機能が果たされていることだけで十分とはいえません。美しい口もとへの自信は、あなたの社会生活を実りあるものにする第一歩です。健康で美しい歯、ステキな顔で人生を豊かにしてください。

命の芽生えを知ったら
赤ちゃんの丈夫な歯を育てましょう

 女性の体は妊娠によって大きく変化します。外形はもちろん、見えない体の中も生活も変わります。この変化が歯や歯肉の問題を引き起こすきっかけとなり、出産後に歯の病気に悩む方がいます。そんなことにならないよう、体が安定期を迎えたら、歯の健康診断と治療をお受け下さい。

歯や歯ぐきの病気に弱い妊婦さん

 妊娠したら今までよりもていねいに歯や口の手入れをしてください。
昔から、妊娠や出産を経験した女性は、赤ちゃんにカルシウムを奪われて歯が悪くなるといわれています。本当でしょうか?それはちょっと違います。赤ちゃんができると、ホルモンのバランスが変わります。この影響で、唾液の分泌量が減り、ネバネバも強くなって歯に汚れがくっつきやすくなります。また、つわりの時期を過ぎると、食べものを口にする機会が増えます。妊娠中は、むし歯や歯周病になる条件がいくつも重なり、どうしても歯や口の病気が始まりやすいのです。おかあさんの歯や歯ぐきの病気は、赤ちゃんのせいではないという訳です。妊娠したら今までよりもていねいに歯や口の手入れをしてください。

栄養バッチリの母体が赤ちゃんの丈夫な歯を育てます

 赤ちゃんの歯は、おかあさんのおなかの中でその芽ができます。乳歯は、妊娠5週から9週、そして大人の歯も16週でできます。おかあさんが必要な栄養を十分にとらないと、赤ちゃんの歯の芽が栄養不足になります。骨やアゴの発達を促すビタミンAやD、妊娠中は腸からの吸収力が高まるカルシウム(骨や歯の成分)等を積極的にとってください。栄養バランスのよい食事が、赤ちゃんの歯の芽を丈夫に育てます。


指しゃぶりの影響
指しゃぶり癖を治して、歯の健全な発育を!

歯ならびやかみ合わせに影響します

 指をくわえたお子さんをときどき見かけます。神奈川歯科大学で行った3歳児健診の調査では、15%前後の子どもにこの癖が見られました。それは、歯の健全な発育という点ではとても大きな問題です。

 吸うのは親指のことが多く、乳幼児の柔らかくて弱い歯や歯ぐきはすぐに変形してしまいます。また、この癖が幼児期まで続くと、前歯がかみ合わず開いたままの状態や出っ歯など、歯ならびやかみ合わせに異常がおきます。特に、生え替わりの時期まで指しゃぶりを続けていると、骨にまで変形が及んでしまいます。もちろん吸い続けた親指も変形します。

 指しゃぶりを止めることができれば、軽い程度の異常は自然に治るといわれています。歯と口の健全な発育は、その後の子どもの身体や心の発達、そして知能の発育にも深く関わります。当院では、正常な歯列とかみ合わせを育てるために、指しゃぶり抑制法を指導しています。

コットンの靴下は、おいしくないから「もう止めた!」

方法は簡単です。成人用のコットンの靴下を両腕にはめ、背中越しに両方の靴下を、遊びを残してひもで結びます。こうするとカカトの部分が子どもの肘にあたり、子どもの自由な腕の働きを妨げません。寝るときも、この上に大きめのパジャマを着せます。指を口に入れてもコットンの感触がよくないので、1か月もすると指しゃぶりをしなくなります。

 母親としてはお子さんが可哀相と思われるかもしれませんが、お子さんの健やかな成長のためにちょっと頑張ってみましょう。そうすることが、お子さんの歯の健全な発育をお約束します。

食育すすめて健康笑顔

「食」は生活習慣の根幹

 『食育』・・聞き慣れない言葉ですね。現代の生活には、インスタント食品や加工食品の氾濫や、好きなものの食べすぎがもたらす栄養バランスの乱れ、個食・過食・アレルギーなど、多くの問題が発生しています。『子どもに正しい食習慣を身につけさせ、問題の発生を防いでいこう』という考えをあらわす言葉です。欧米では、すでに四半世紀も前から、将来を担う子どもたちの健やかな成長のために『食に関する教育』を始めています。日本でも、そうした考え方が理解され、切実に求められるようになってきています。

習慣づけることが大切です
 私たちは、もって生まれた資質を変えることはできません。でも、生活習慣は、日常的に繰り返すことで「習い性」として身につけることができます。「氏より育ち」という諺もあります。環境がその人に及ぼす影響はとても大きいのです。その力を食育に上手に活用しましょう。健康に結びつく食べ方や良い食習慣は、お母さんや周囲のおとなたちが、楽しい食卓をつくる工夫や努力を続けるなかで自然に身につきます。ご家庭での食習慣を見直し、家族みんなが健やかに暮らすエネルギーを養う「家庭での食事」をもっと大切に考えましょう。

賢い食べ方で健康増進
 口は食べ物の入り口。そして食べ物はエネルギーと健康の源です。何を食べるか?どのような形で食べるか?その選択が私たちの歯や口の健康と深く関係しています。栄養研究など様々な面での研究が進み、栄養や食品について新しい知識が知られるようになってきています。賢い食品の選び方食べ方を身につけて、いっそう健康に過ごしましょう。

かみ合わせは大丈夫?

不正咬合は、さまざまな障害をもたらします

 あなたの歯は、左右前後にズレたりしていませんか。上下がキチンとかみ合っていますか。「不正咬合(咬合異常)」とは、歯並びが悪かったりアゴの骨と歯の配列が不調和なために、上下の歯のかみ合わせが悪かったりすることです。

 かみ合わせが悪いと、それが原因で歯や全身に様々な症状や病気がでてきます。歯の病気はむし歯や歯周病ばかりではありません。

うまく噛めない、発音がおかしい
 かみ合わせが悪いと物を噛む機能が低下したり、上手に発音ができなかったりします。わたしたちは食べることで生命を維持し活動のエネルギーを得ていますし、話すことは社会生活をおくるうえで不可欠です。

顔がゆがむ
 鏡に向かって見て下さい。あなたの鼻や口は顔の真ん中にありますか?頭が傾いてはいませんか?もしおかしかったらかみ合わせに問題があるかもしれません。長い間のかみ合わせのズレが、顔を変形させてしまっているのです。

顎関節症の原因

かみ合わせがおかしいとアゴの骨やアゴの筋肉に異常な力がかかり、口を開けるとアゴの関節がカクカクと音をたてたりします。ときには口を開けないほどの激しい痛みが起きることもあります。これが顎関節症(がくかんせつしょう)です。

歯への影響
 歯は隣同士が正しい接し方をしていないと、よけいに歯垢がたまったり、無理な力が加わって歯の周りの組織がおかしくなります。歯並びが悪いと、むし歯や歯周病になりやすいのです。

小さい子ほど歯並びに気をつけて
 幼児の不正歯列は注意が肝心。そのまま放置していると、アゴの骨まで不正なままに発達してしまいます。あとで歯並びを変えることができても、アゴの骨を治すのは難しいのです。早めの治療が必要です。

コワーイ『顎関節症』

アゴのズレは全身に影響します

 「食べるときアゴが痛い」「口を開けるとアゴが痛い」「アゴがギシギシする」、こんなことがありませんか?また、特別な原因もないのに頭痛や耳なり、肩こりなどの慢性症状がありませんか? これらの症状に心あたりのある人は「顎関節症」を疑ってみましょう。歯に関係する最近話題の病気です。

うまく噛めない、発音がおかしい

 アゴの関節がズレると、そのズレは全身に影響します。負担が首から手足へとひろがるからです。
 代表的な症状が3つあります。

  ・大きく口を開けられない
  ・口を開けるとアゴが音をたてる
  ・ものを噛むとアゴが痛い

 アゴは前歯で1g、奥歯で5gの微妙な力に反応します。ちょっとした関節のズレが、わたしたちを毎日苦しめる原因になります。

かみ合わせのズレは要注意

 かみ合わせがおかしいとアゴの骨やアゴの筋肉に異常な力がかかり、口を開けるとアゴの関節がカクカクと音をたてたりします。ときには口を開けないほどの激しい痛みが起きることもあります。これが顎関節症(がくかんせつしょう)です。

 歯の病気はむし歯や歯周病だけではありません。歯や口に関係した筋肉や神経、関節などの問題から起こる病気もあります。

 食事はよく噛んで食べ、いつも歯や口の状態が健康であるように定期検診を受け、噛み合わせにも注意しましょう。

アゴの病気をチェック


噛み癖、ストレス、肩こりなどがありますか?

アゴだけでなく身体のあちこちに症状が現れます。

 『顎関節症』(がくかんせつしょう)は、アゴを動かしたときアゴの周囲に痛みなどの不愉快な症状があらわれる病気です。原因は、噛み癖・ストレス・不正咬合などによるかみ合わせのズレです。ただしあらわれる症状が、肩凝り・耳鳴り・頭痛・手足のしびれ・めまいといった他の病気が疑われる症状と同じところに、この病気の診断の難しさがあります。下のチェックリストで4個以上チェックのある方は要注意!顎関節症を疑い、なるべく早く受診して下さい。


チェックリスト
《アゴの周囲の筋肉について》

□どうしても噛みやすい方でばかり物を噛む 
□顔、アゴ、のど、目、こめかみ、首などが痛い
□肩や背中が痛い
□大きなものや硬いものを噛むとアゴがだるくなる
□特別な原因もないのに頭痛がする
□アゴが動かしにくい
□口を開けようとするとアゴが引っかかるような感じがして、アゴが開かない

《アゴの関節について》

□物を食べるときアゴが痛む
□大きく口を開けるとアゴが痛む
□口を開けたり閉じたりするとき音がする
□耳や耳の前のほうが痛む


歯の矯正はなぜ必要?


よい歯並びは全身の健康につながります

 歯並びの矯正を希望する方で、最も多い理由は「見た目をよくしたい」というものです。もちろん見た目をよくするのはとても大事なことですが、歯並びが悪いことはそれだけの問題ではありません。体全体の健康に大きく影響するものなのです。歯並びが悪いことがどのような問題なのか?その理由をご説明します。

■むし歯になりやすい
歯並びが悪いと歯の周りに汚れがたまりやすく、また歯ブラシも届きにくくなります。歯の汚れは虫歯と歯周病の原因になります。

■発音が正しくできない
奥歯を噛みしめて前が開く「開咬」の場合は、「サシスセソ」などの摩擦音を出しにくく英語の
場合などはとくに大きなハンデとなります。

■そしゃく障害が起きやすい
食べ物を十分に噛み砕くことができないために、栄養摂取の効率が悪くなったり胃腸をこわしたりしがちです。

■顎関節症(アゴの病気)を起こしやすい
かみ合わせが悪いため、口が開きにくく、アゴの関節で音がする、口を開けた時に関節の周りが痛むなどの障害の原因になります。

■アゴの成長に異常を起こす
アゴの成長が進まなかったり、逆に進み過ぎたりし、ひどい場合は顔つきにも異常を起こします。

■劣等感をいだきやすい
歯並びが悪いと、大きく口を開けて笑ったりしゃべったりすることにひけめを感じて性格的にも暗くなりがちです。

 以上6点にわたって、歯並びが悪いことが引き起こす身体的、精神的問題点について述べました。歯並びを良くする「矯正」の必要性をご理解いただけましたか?

どんなかみ合わせですか?(1)

出っ歯や受け口、前歯が開いたままになっていませんか?

■(出っ歯)

上の歯が前に出ているかみ合わせを上顎前突(出っ歯)といいます。歯が出ていると、折れたり唇を切ったりしやすく、見た目もよくありません。このような人は「六歳臼歯」が前に位置していることが多いため、小学生低学年のときからヘッドギアーという装置を使って「六歳臼歯」を後へずらし、奥歯のかみ合わせを正しい位置にしておかなければなりません。

■(受け口)

下の歯が上の歯より前に出ているかみ合わせを反対咬合(受け口)といいます。受け口の人は、食べ物がよく噛めないだけでなく、聞き取りにくい話し方になります。体の成長期には下アゴが大きく伸びるので、チンキャップという装置を使って下アゴの発育を抑える場合もあります。

■ (開咬)

奥歯を噛んでも前歯がかみ合わずに開いているものを開咬といいます。いつまでも指しゃぶりをしていたり、舌を出すクセがあったり、遺伝的なアゴの形態などが原因です。開咬は、前歯で食べ物を噛み切ることができないばかりでなく、正しい発音もできません。クセが原因の場合は、6才頃までなら、単純な装置だけで治療することもできますので、早目にご相談下さい。

どんなかみ合わせですか?(2)


歯並びが悪くないですか?

■(八重歯・乱ぐい歯)

 アゴが小さくて、歯が生える場所が足りなくなり、押し合いへしあいして、歯並びがデコボコになるのが乱ぐい歯です。さらに症状がひどくなると、あとから出てくる歯が歯列から外にはみ出し、重なりあって生えて「八重歯」と呼ばれる状態になります。犬歯がはみ出した場合も八重歯です。叢生の場合、歯ブラシがゆきとどかず汚れが残りやすくなります。歯が汚れやすいので、虫歯や歯槽膿漏の原因になり、健康な歯の寿命を短くしてしまいます。特に八重歯は欧米では「ドラキュラの歯」といわれるように、見た目も悪いものです。

■(すきっ歯)

 上アゴの中切歯(一番前の歯)は、生えてくるときは開いていますが、側切歯(中切歯のとなりの歯)が生えてくると閉じるのが普通です。しかし、永久歯が小さすぎたり(矮小歯)、上唇の内側のひだが大きすぎる時、また、中切歯の根の間によけいな歯(過剰歯)が生えてきた場合には開いたままになってしまいます。この様な状態になると、発音(特にサシスセソ)がしにくくなります。

フッ素塗布でむし歯の予防


フッ化物のむし歯抑制効果を利用

 むし歯は自然に治らないものです。まずはむし歯にならないような予防が大切です。「フッ素」を使って歯の質を高める予防法が効果をあげています。ご存知ですか?
  ・水道のフッ素化       ・フッ素塗布
  ・フッ素歯みがき        ・フッ素洗口(うがい、口すすぎ)
などの方法があります。厚生労働省も「一生使う歯の健康づくり」として強くおしすすめています。

フッ素塗布

 フッ化物のむし歯抑制効果を利用したもので、歯に直接塗布することによってむし歯の予防をはかるという方法です。生えて間もないほど予防効果は大きいと考えられます。一口にフッ素塗布といっても具体的なやり方はいくつかあります。塗布方法も、綿球法とトレー法に大別されます。

 綿球法は綿球に塗布液を含ませ、歯に軽く押し当てて、塗っていきます。トレー法は、トレーの中に液をしみこませた濾紙などを入れ、これをくわえさせて歯面に塗るという方法です。

 歯面への塗布は、フッ化物溶液を小綿球で塗るだけです。この際歯をよく乾燥させる必要がありますので、しばらく口を開けたままの状態に保たなければなりません。 フッ素塗布は、歯医者さんか歯科衛生士という専門家が行います。

シーラントでむし歯の予防

溝をプラスチックで埋めてむし歯を防ぐ
奥歯のかみ合う面(咬合面)のむし歯の予防に考え出されたのが溝埋め(シーラント)という方法です。あらかじめある溝を接着力のあるプラスチックで埋めてしまいます。このプラスチックは虫歯を削ったとき詰めるものと同類のレジンという材料なので、きちんと埋めていれば虫歯にならないのでは、という考えで普及しはじめました。

むし歯の数を3分の1に
このレジンが長い間のうちにはがれてしまうことも考えられますが、いずれにしても短期的にはきちんと詰めればそれなりの効果をあげています。実際、むし歯の数を3分の1に減らしたという報告も出ています。

 生えて間もない奥歯の永久歯(六歳臼歯)は特にむし歯になりやすいので、この方法で処置してもらうと効果があります。

生活全体でむし歯の予防を
 もちろん、むし歯予防は、これだけで十分というわけではありません。きちんとブラッシングをして、シーラントがきちんとついているかなどの定期健診を受け、食生活でも注意して、総合的な関心を親と子が一緒になって持ちつづけることが大切なのです。




サホライド塗布でむし歯の予防


乳歯が軽いむし歯のとき、その進行を防ぐ

サホライドを歯に塗る処置

乳歯の軽いむし歯の進行を抑えるため、フッ化ジアンミン銀溶液を歯面に塗る処置を『サホライド塗布』といいます。
 サホライドとはフッ化ジアンミン銀の溶液のことです。(ちなみに、フッ化ジアンミン銀溶液はムシ歯の抑制と象牙質の知覚を鈍くすることを目的とした薬です。硝酸銀の殺菌作用とフッ素のむし歯抑制作用の両方の効果が期待できます。)

初期の軽いむし歯の進行を抑制
 サホライドは光、熱により変質しやすい性質を持っています。歯面や根管の中を清掃し、乾燥させた後、小綿球に浸ませて塗布します。これにより、初期の軽いむし歯の進行が抑制されます。

副作用としては、銀の沈着によって、象牙質の色を変化させてしまいます。要するに歯が黒光りしてくるのです。そのため乳幼児の前歯のむし歯の抑制にはよく使われますが、永久歯の前歯には使いません。(もちろん黒くなったからといってむし歯になったわけではありません。)



カリエスリスクをご存知ですか

人によって違う、むし歯に対する感受性
同じように甘いものを食べていても、むし歯にかかりやすい人とかかりにくい人がいます。同じ人の口の中でも、むし歯になってしまう歯とならない歯があります。歯には、人により歯の部位によってむし歯に対するかかりやすさに違いがあり、これをムシ歯に対する感受性(カリエスリスク)といいます。

カリエスリスクで判定 効果的なむし歯予防
 カリエスリスクはいくつかの因子の検査結果と患者の全身症状や生活背景などの情報を総合的にみて判定します。現在一般化している方式では、 

    ・むし歯菌の数

    ・唾液の緩衝能

    ・唾液の量や性質

    ・飲食回数

    ・むし歯の経験

    ・プラークの量

などを調べます。

(*唾液の緩衝能:唾液には口の中を中和する能力がありますが、これが緩衝能力です)あなたの口の中が、むし歯菌が多く唾液の量が少なく酸性に傾いていて、その上、度々食べ物を口にする習慣があれば、あなたはまちがいなくむし歯になりやすい状態にあります。

 むし歯は、極初期のうちは自己修復力がありますが、一定以上に進行すると、もう元には戻りません。むし歯を防ぐには、「予防」が一番です。カリエスリスクを調べ、結果を生かしてリスクをできるだけ小さくできれば、むし歯をより効果的に予防できます。

カリエスリスク判定は最適な予防プログラムを組み立てるために有効で便利な方法です!あなたもぜひこの方式をお試し下さい。



ご存知ですか?審美歯科

『歯のエステ』で暮らしいきいき

審美歯科をご存知ですか?案外口もとコンプレックスの方が多いのでは?歯の色が黒ずんでいる、歯並びが悪い、口が臭う、笑うと歯グキがすっかり見えてしまうなど、そんな悩みにお答えするのが「歯のエステ」・審美歯科です。痛いから駆け込むという今までの歯科とはちょっと違います。もう一歩進んで、あなたも美しい笑顔を自分のものにしましょう!

嫌われる八重歯
チャームポイントの八重歯も、中国や西洋では不吉な歯として嫌われます。
特に歯への美意識が高い欧米では、親は子供の歯の矯正に時間とお金をかけます。良い家庭の子女は良い歯並びが条件なのです。

「若返り」の秘訣
笑った時口もとがキラリと光る――年を感じませんか?やはり天然の歯に近い自然な色が一番です。昔とちがい、金歯が富の象徴にはなりません。

健康なピンクの歯肉
笑った時健康なピンクの歯グキが見えるのは良い感じですが、黒ずんでいたり見え過ぎたりするのは考えものです。どちらも歯科治療の対象です。
一人で悩まずに、ドクターに相談しましょう。

年齢それぞれの歯のエステ
歯のエステは若者だけの専売特許ではありません。年輩の方には、その年齢にふさわしい歯並びや色調があります。たとえ入れ歯でも、人に入れ歯と気づかれないほど、ぴったり合っていて、笑顔がとてもステキだったら、歯のエステとしては完璧です。

歯の色についての悩み
鏡で自分の歯の色を注意して見たことがありますか?歯の色も個人差や年齢による変化があるのです。でも歯が全て黒ずんでいたり、歯の面に茶褐色のスジがたくさんある時は、ドクターに相談してみましょう。簡単な治療で治ることもあります。

歯の形と個性
上の中切歯は自分の顔形を逆さにした物によく似ています。角張った顔の人は角張っていますし、丸顔の人は丸形です。歯にまでその人らしさがあらわれています。

■「歯のエステ」はあなたの生活のプラスアルファです。■


デンタルレーザーで治療に効果


副作用もなく、組織を傷めないで治療できます
削らない対症療法のひとつにレーザー治療があります。その性質を生かして、工学や医学などさまざまの分野で活用され、歯科医療の世界でも急速に普及しています。当院でも活躍中のデンタルレーザーをご紹介します。

傷や潰瘍を治療する
当医院で使用しているソフトレーザー(出力がmW<ミリワット>レベルの低出力のレーザーのことです)は、損傷をうけたり弱ったりした細胞を刺激して活力を与え、機能を回復させる効果があります。口内炎などにも、薬による治療と比較して大きな効果があると実証済みです。また、手術の傷にレーザーを照射すると、治りが早くなります。

自然治癒力を促進する
さまざまな痛みに直接レーザーを照射するだけで、痛みを抑える大きな鎮痛効果があることが報告されています。また、ツボ(経穴)への照射でも効果があります。即ち、人間が持っている自然の治癒力を昂進させ、治癒を促進するはたらきがあるのです。

かみ合わせや色素沈着にも効果抜群
そのほか、顎関節症(アゴの病気)による開口の障害を改善したり唾液の分泌をうながす効果、メラニン色素の沈着に対する効果、骨の修復を促進させる効果など、たくさんのはたらきがあります。 副作用もなく、組織を傷めたりしないで治療できるレーザー治療の可能性は今後ますます広がるでしょう。もちろん、レーザー治療が万能というわけではありません。他の治療と併用して、その治療効果をたかめるというのが現在の活用法です。


白いつめ物・セラミックインレー

自然な色と透明感でナチュラルな口もとに

見た目の自然さはセラミックスで

 少し大きなむし歯は、むし歯の部分を削り取ったあと、その部分を型にとって鋳造したもの(インレー)をはめ込んで元のようにします。
インレーの材料はいろいろですが、見た目の自然さではセラミックスが一番です。セラミックスは、色調や透明感を天然歯そっくりに加工できるのが特長で、あなたの歯とインレーが違和感なくとけあうように作ることができます。大きく口をあけたときに歯が見えても、治療をしたと分からないほどナチュラルです。また、セラミックスは金属ではありませんから、お口の中で変質したり変色したりしません。金属アレルギーのある方でも安心してお口に入れておけます。

セラミックインレーがお口の中に入るまで

 

 



今、時代はお手入れされた「健康美」を求めています。

セラミックインレーは、そんな時代にふさわしい治療法です。



急性根尖性歯周炎


治療中に とつぜん歯の痛みにおそわれたときは
治療を始めて歯をいじったとたん、突然歯が浮いたような違和感や激しい痛みにおそわれる方がいます。 これは進行したむし歯の治療や歯周病の治療中によくみられる現象です。原因は様々ですが、簡単にいうと、治療によって歯に刺激が加えられ、それまでほとんど気づかずにいた炎症が急性化しておきたのです。特に細菌に侵された根管を治療する処置を行ったときなどによくみられます。

 もしこのような症状があらわれたときは、すぐに私たちにご連絡下さい。また、治療中に、痛んだり違和感を感じられたときはどんな場合でもご遠慮なくお申し出下さい。


よい治療はお互いの信頼からうまれます

●処方された薬は指示に従ってお飲み下さい。痛みを我慢して薬を飲まない方がいますが、我慢したからといって炎症はおさまりません。

●痛みが激しい場合、治療をいったん止めることがあります。これは安静にして経過をみることが、よりよい治療につながると判断したためです。

●激しい痛みをそのままにしておくと他の病気に発展することもあります。薬でひどい痛みがおさまったとしても、必ず連絡をとってご来院下さい。

歯や口の治療についての悩みや不安は、いつでもお気軽にご相談下さい


インレー修復法

型をとって、小さな銀歯をつめましょう

奥歯と奥歯の間に虫歯ができてしまった場合、インレー修復が多く用いられます。


インレー修復は、1本の歯を治すのに2回の治療が必要です。(@Aで1日、BCで1日)

インレーを入れたからといって、安心せず、糸ようじなどを用いて清掃を心がけないと、となりの歯や反対側にもう1ヶ所むし歯ができたりしてしまいます。治療後のメンテナンスをがんばりましょう。

インレーの材料はさまざまですが、セラミックが強度、衛生面、審美面ともすぐれています。



歯ぎしりの悩み


本人にはわからない「歯ぎしり」

寝ているときにキリキリカリカリ音をたてる『歯ぎしり』。本人は自覚していないことが多く、周りの人たちの安眠を妨害して、「あなたの歯ぎしりが気になって眠れない」と指摘されて気づきます。

歯ぎしりは病気でしょうか?
『歯ぎしり』は、睡眠中に下アゴを動かしたとき上下の歯がすりあって異様な音を出す状態です。歯科では“ブラキシズム”といいます。正常な人でも、睡眠中に約15分ぐらいは歯ぎしりをするので、病気かどうかの線引きはなかなか難しいものです。朝、目覚めたときアゴや歯に疲労感を感じたり、迷惑をかけていると気にして来院するようなら、病気と考えなければなりません。ただ歯ぎしりは、噛みしめによって健康な歯やアゴに無理な力をかけるので、顎関節症や歯周病の原因になります。歯ぎしりを指摘されるようでしたら、歯や口の健康のために、一度来院されるようお勧めします。

歯ぎしりの原因と治療法
歯ぎしりの原因は、全身の疲労や遺伝、かみ合わせの異常や片側だけで噛む癖、ストレスなどの精神的なものが考えられますが、はっきりしていません。

 治療法には、自分で暗示をかける方法やバイオフィードバック療法、薬を飲む方法、スプリント療法(ナイトガードやマウスピース使用)などがあります。

 歯ぎしりの音をシャットアウトすることはできますが、原因がはっきりしていませんので、完全にはなくなりません。周囲の人に歯ぎしりについてよく話し、理解してもらいましょう。あまり気にせずに、「一生おつきあいするつもり」の楽な気持ちを心がけて下さい。



お年寄と肺炎

口の中の細菌が肺に入らないように

東京都老人医療センターによると、最近老人の誤嚥性肺炎が増えています。高齢者の死因は、肺炎が断然トップで、2位は心筋梗塞、3位は胃がんとなっています。高齢になると食道と気管支の連絡部分の動きが悪くなるため、異物が間違って気管に入るトラブル(誤嚥)が起こりやすくなり、肺炎の原因になるからです。お餅のつかえなどもその例です。

肺炎予防にお口の掃除を

 高齢者は細菌に対する抵抗力が弱っているのに加えて、身体の調節機能が衰えているため肺炎とのたたかいの連続です。たとえば、睡眠中にだ液などが気管に入ることが肺炎の原因になると考えられています。だ液に含まれる口腔内の細菌が肺炎の原因菌となっているためです。

まして寝たきりになると、介護者も食事や排泄の世話に追われてしまいます。なかなか歯みがきまで手が回らないのが現状ですが、肺炎予防のためにぜひ口腔内の清掃を心がけてください。










寝たきりの重症の患者さんに対しては、往診も可能ですから、遠慮なく窓口でご相談ください。



ウーロン茶の意外な効果


むし歯を防ぎ、口臭を消す作用があります

日本には昔から、食べたあとにお茶を飲む習慣があります。これが口の中の食べカスを取り除き、お茶に含まれるフッ素の効果も手伝って、むし歯を防ぐ働きをしています。ところで、この頃人気の甘くない飲み物の代表格「ウーロン茶」。こちらには、日本茶と同じような効果が期待できるのでしょうか。

むし歯を防ぐウーロン茶の成分
ウーロン茶にはポリフェノールという物質が含まれています。研究の結果、この物質には歯垢を付きにくくする作用があることが明らかになりました。この研究を行った企業では、その成果を新しい商品の開発にいかし、「むし歯になりにくいキャンディ」を発売しています。ウーロン茶に含まれる物質を利用しているのにウーロン茶の味はしないので、消費者にはなかなか好評です。

ウーロン茶の成分が口臭の元もカット
近ごろの若者はたいへん「におい」を気にします。口臭も例外ではありません。口臭の原因は、食べカスと消化によって内臓から発生する悪臭物質(メチルメルカプタン)ですから、食事をする以上は避けられません。

 そこで口臭の元となる成分を除去する効果があるシャンピニオンエキス(きのこの一種からとれるエキス)を入れたウーロン茶が開発され、たいへんな人気を呼んでいます。「人に口臭を気にしていることを知られたくない」「自分で口臭を気にしていることを意識したくない」という微妙な心理にアピールしたのか、近年にないヒット商品になっています。



ブラッシングの方法(1)

歯ブラシの毛先が均等にゆきとどくように

歯みがきをしているのになぜかむし歯ができてしまう人がいます。なぜでしょう?歯科医院で歯垢の染め出しを行ってもらうと、意外にみがき残しがあり歯垢が取れていないことに気づきます。自分の口の中の状態に合った効率のよいみがき方を身につけることが大切です。みがき方によっては、歯ぐきを痛めたり、みがき過ぎて歯が磨耗(すり減る事)したりします。でも注意さえすればどのようなみがき方でも構いません。歯ブラシの毛先が均等に歯の隅々までゆきとどき、歯に付いた歯垢をきれいに取り除くことが大切です。

歯ブラシの毛先を使う方法(フォンズ法)
「フォーンズ法」は歯の表面をみがくのに適しています。その上マッサージの効果も高く清掃能力もあります。歯を軽くかみ合わせ、歯肉をむきだし、歯ブラシの先端を歯肉に当てます。そして歯の面に直角に、円を描くように動かします。この時歯みがき剤はつけずに行い、ブラシは毛列3〜4列の、やや軟毛のものが良いでしょう。
「フォーンズ法」は特別に難しいブラッシング方法ではないので、誰にでも無理なく簡単にできます。また「フォーンズ法」は歯肉炎の予防にも効果があります。

45度の角度でみがくバス法
歯ぐきが歯の根からはがれた所をポケットと呼びます。ここには歯垢・歯石がたまりやすく、ばい菌の巣になり、歯周病、歯肉炎の原因となります。「バス法」はそれを防ぐのに適したみがき方です。
歯みがきの方法は、歯軸に対し45度の角度で、歯と歯ぐきの間に毛先を入れ、1mm程度のストロークで前後に細かく歯ブラシを動かします。この時毛先が歯と歯ぐきの境目から離れないようにします。離れるとせっかくの効果がなくなります。


上:フォーンズ法   下:バス法

ブラッシングの方法(2)

自分のみがき方をチェックしよう

一生自分の歯で食生活を楽しむために
むし歯や歯周病は日常の手入れ次第で予防できる病気です。 本当は毎食後歯磨きするのが一番良いのですが、なかなか時間は作れないものです。 そこで、磨き残しや歯垢のつきやすい部分など自分のみがき癖を知ることが重要です。

 その方法とは・・・・・・
   ・いつものようにブラッシングする。
   ・カラーテスター(歯垢染出液)で歯垢のついている所を染め出します。
   ・赤く染まった箇所を確認して「毛先磨き」で磨いて行く。
   ・最後に「確認染め」をします。

毛先磨きとはどのような磨き方?
 毛先というのは、歯ブラシのナイロン毛の先端のことを指します。それからナイロン毛を歯の表面に直角に当ててこすります。そうすると、確実に歯垢が取れます。歯は曲面の立体なので歯の面を3つに分け、ブラシの先端を直角に当てることが必要になってきます。ブラシの刷面も分割して、直角に当ててこするようにして下さい。


毛先磨きのポイント

(1)必ず毛先を使うこと
(2)歯の面に直角に当てること
(3)力を入れないでこすること
(4)歯ブラシの持ち方を自由にかえること
(5)なるべく歯磨き剤を使わないこと
(もし使う時は、米粒くらいの量にすること)



ブラッシングの方法(3)

歯ブラシの寿命と選び方のポイント

どんな歯ブラシがよいですか?
薬局やスーパーマーケットへ行くと、さまざまな種類の歯ブラシが並んでいてどれを選んでよいか分からなくなってしまいますが、自分に適した歯ブラシで毎日きちんと歯をみがくことが大事です。
歯ブラシの毛の硬さはブラッシングの方法にもよりますが、歯の表面から汚れを落とすには、毛先の硬いほうが軟らかいものよりはるかに効果的です。硬い毛の歯ブラシの欠点は、歯ぐきを傷つけたり、歯の表面を削り取ったりする恐れがあることです。逆に軟らかすぎるものは、汚れを落とす能力に欠けるのが欠点です。
歯ブラシの毛先や柄のサイズはできるだけ小さめのもので、口の中全体に毛先が十分に届くことが大切です。毛の密集したものや動物の毛は乾燥しにくく、不潔になりやすいので、ナイロン毛が良いでしょう。

歯ブラシの寿命は?
歯ブラシは1カ月に一度取り替えることをおすすめします。また、毛先が開いてしまった歯ブラシは早く取り替えて下さい。もしも1カ月で毛先が開いたりする人は、歯をみがく時に力が入りすぎています。

どんな歯みがき剤がよいのですか?
歯みがき剤はいろいろありますが、研磨剤が含まれているものは、使い過ぎると歯が擦り減ってしまいます。歯みがき剤は、大体ブラシの毛の先にほんのすこしつける程度で十分です。歯の表面をゴシゴシ、力一杯こするのは、よくありません。歯みがきの目的は、歯垢をとりのぞくことなのですから。



トレンドは毛先みがき


歯ブラシのつま先、わき、カカトを使い分けて

1日1回、時間をかけてていねいに

 今の若い世代は、朝シャン感覚で歯をみがきます。ポケットやバッグの片隅に歯ブラシをしのばせ、食べたら気軽にシャカシャカシュッシュッ。口の中はいつもスッキリさわやかです。歯と口の健康維持の立場から、ぜひ皆さんも真似してほしいことです。そしてせっかくの歯みがきですから、ぜひ効果的にみがいて下さい。「みがく」と「みがけている」では大違いなのです。
食後すぐに歯をみがくのはなかなか大変です。専門家の研究では、1日3回短時間みがくよりも、1日1回ていねいに時間をかけてみがいたほうが効果的という報告もあります。また、簡単な歯周病ならブラッシングで進行を防げます。1日の最後にご苦労様のいたわりを込めて、あなたの歯をブラッシングしてあげましょう。そこで、現在最新の歯みがきの方法をお教えします。

歯垢がよく取れる“毛先みがき”とは
 むし歯や歯周病の原因は歯垢です。この歯垢をとらないと歯をみがいたとはいえません。歯垢がたまりやすいのは、歯と歯の間・歯と歯ぐきの境目です。そこを上手にみがくには、歯ブラシのつま先・わき・カカトを使い分け、歯ブラシの毛先がいつも歯に直角に当たるように、歯を3つの面に分割して力を入れず小刻みに動かしてみがきます。こうすると、歯垢がよく取れます。 さあ、トライしてください。コツをつかむとホラ、簡単でしょ。



トップ 新着 トピック ライブラリー 医院紹介 自己紹介 リンク 意見・感想



トップページへ