IYAMA DENTAL OFFICE
いやま歯科医院 
大阪市鶴見区今津北4−9−18 06-6968-7815

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 <ライブラリー>

『定期健診』のすすめ
「予防」がいちばん

『8020(ハチマルニイマル)』を知っていますか?

 日本人の寿命がのび、今や人生80年の時代です。いつまでも自分の歯でしっかり噛んで楽しく食事をすることが健康生活の第一歩です。歯の健康管理が、長い人生を豊かにする大切な要素になってきています。『8020運動』は、このような時代を背景に、“80歳になったとき自分の歯が20本残っているようにしよう”と厚生労働省と日本歯科医師会が提唱している運動です。

 歯と歯を支える組織の病気は、来院したときには、病気が予想以上に進行していることが多いのです。「面倒だ、こわい、忙しい」という気持ちが、よくない結果を招きます。いつまでも自分の天然の歯が残るようにするには、積極的な『予防』が基本です。専門家による定期的なチェックと予防指導を受けて、歯や口の健康を維持して下さい。

「歯の日」を機会に健診を受けましょう!
お誕生日も健診日には最適です。

これらの日付にマークをつけて、その日にはあなたの歯と口の健康を思い出しましょう。そして、都合の良い日を選んで健診を受けてください。

歯周病発見のポイント

歯ぐきが腫れたり、出血したらイエローカード!

歯周病をチェックする習慣を!

成人の8割は歯周病を持つと言われていますが、気付かない人が殆どです。そして歯周病になると、わからないうちに自分の大切な歯を失うことになります。幸い歯周病は予防することができますし、発見が早いと治療もしやすい病気です。次の7つのポイントを自分でチェックしてみましょう。

1:歯ぐきが腫れて赤くなっている
2:歯ぐきから出血がある
(歯ぐきからの出血は異常ありのしるし)
3:常に口臭がある
4:歯と歯の間に隙間ができてくる
5:歯ぐきがやせて歯の根っこが見えてくる
6:歯がグラグラしてくる(歯のグラグラは危険信号)
7:歯ぐきがどことなく痛い、かゆい

一生自分の歯を使うために!

 歯周病は自然に治ることはないので、放っておくと症状はどんどん悪化してしまいます。治療をすることによって、ある程度の進行
を防ぐことができます。

1:
正しいブラッシングを毎日行い、歯周病の原因となる歯垢を取り除き、
口の中の清潔を保ちます 。リステリンなどの含嗽剤も効果的です。

2:
歯ぐきをマッサージして歯肉を強くします。マッサージをすると歯肉は引き締まり、
歯と歯ぐきとの間にできる隙間を減らします。

3:
栄養のバランスが悪かったり、不規則な生活を続けたりしていると、体の抵抗力が弱まり
歯ぐき が赤く腫れたり浮いた感じがします。常に規則正しい生活を心がけてバランスの
とれた食事をすることが肝心です。

4:
歯石を取ってもらいましょう。6カ月に一度は、歯科医院で歯石を取ってもらうように
しましょう。歯石は自分一人で取ることはできません。


歯周病はこわくない!?

口の中にはたくさんの細菌が棲んでいます。細菌たちの生活様式はさまざまで、一人で
生活している者もいれば、集団で生活している者もいます。細菌がまるでテントを張って
集団生活している状態をバイオフィルムといいます。このバイオフィルムとは、私たちが毎日、
目にしているプラーク(歯垢)のことです。プラークとは食べカスのようにみえますが、実は
歯周病菌やむし歯菌をはじめとする微生物のかたまりです。プラーク1mgにはなんと1億もの
細菌が含まれているといわれています。歯周病はそんなプラークが、歯と歯肉の間のミゾ
(歯肉溝)にたまり、歯肉に炎症を起こす病気です。これを放っておくと、ミゾが深くなり歯石も
増え炎症が拡大し、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かしてしまいます。歯周病は痛みもなく
静かにしのびよりいつの間にか歯はグラグラとなり、抜けてしまうコワイ病気なのです。



バイオフィルムについて

【バイオフィルムの困った性質】

 バイオフィルムという言葉を聞いたことがありますか?お風呂のパイプや下水管の内側に見られるヌルヌルは、身近なバイオフィルムの例です。その他にも人体に埋め込んだ医療用の人工器具や尿道カテーテルの
表面などに見られ、院内感染の原因として問題視されています。
 バイオフィルムの特徴は、表面にくっつく性質が強く簡単にははがれないことと、抗菌性の薬も透過させないほど強いことです。物理的に取り除くしか方法がありません。

【プラーク(歯垢)もバイオフィルム】

 歯の表面についているプラークもバイオフィルムです。むし歯の原因菌は、お口に入ってきた砂糖を栄養源としてネバネバした物質をつくり歯の表面にしっかりくっつき、それが溜まって厚い膜状(バイオフィルム)に
なります。
 むし歯菌は、この膜に守られて増え続けどんどん酸をつくります。膜の内側は強い酸性となり脱灰(歯のエナメル質から成分のリンやカルシウムが溶け出す反応)が進みます。こうしてむし歯は本格化します。

【歯周病もバイオフィルムがはじまり】

 歯周病も細菌による感染症です。歯と歯肉の境目についたプラークは、歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)を広げて奥に入り込みバイオフィルムをつくります。この中に強い毒素をだす細菌が繁殖し、周りの歯肉をますます攻撃するようになります。歯肉に遮られてセルフケアが十分できないので、歯の表面のものよりやっかいです。


歯の表面にバイオフィルムができるには、18時間以上かかります。
1日に一度は、プラークが簡単に落とせるうちにていねいに歯をみがきましょう。
専門家による処置(PMTCやスケーリング・ルートプレーニング)も必要です。
 

歯周病の進み方
進行すると、元気な歯も抜けてしまいます

歯はこうして失われていきます

そしてついに、歯は抜けてしまいます

 歯周病の恐ろしさはむし歯のように痛むことがあまりなく、痛みなどの自覚症状が出てからは進行が早まり、きれいな歯が抜けてしまうことにあります。歯ぐきに異常のある場合は、早めに治療を受けることが大切です。

糖尿病と歯周病

糖尿病と歯周病、両方の治療を

糖尿病の人は歯周病になりやすい

 糖尿病にかかると血行障害が起き、また、高血糖により体を守る白血球の機能が低下するので、感染しやすくなります。そのような状態のままでいると、次第に歯肉までおかされて、歯槽膿漏など歯周病になりやすくなります。歯周病で悩む人には糖尿病の人が多くいますし、歯の治療で歯科医の診断を受けて、糖尿病が見つかるという人もいます。糖尿病の人は、口腔内を清潔にして、よく歯みがきをすることが大切です。

歯はいつも清潔に

 歯周病は自然に治ることはないので、放っておくと症状はどんどん悪化してしまいます。常にお口の中を清潔に保ち、定期的に歯科医師のチェックを受けましょう。

●毎日正しいブラッシングを行い、歯周病の原因と
 なる歯垢を取り除き口の中を清潔に保ちましょう。
●歯ぐきをマッサージして歯肉を強くしましょう。マ ッサージによって歯肉は引き締まり、歯と歯ぐきの 間にできる隙間を減らすことができます。    
●歯石を自分で取ることはできません。6ヵ月に一度 は、歯科医院で歯石を取ってもらうようにしましょ う。

生活習慣病の克服を

  歯周病の治療には糖尿病の有無によって、回復の進み方にも大きな差が生まれます。糖尿病そのものを治していかないと、歯周病の治療が無駄になってしまうケースもあります。歯周病も糖尿病もいわゆる『生活習慣病』です。正しいブラッシング、正しい食生活を守り、
『生活習慣病』を克服していきましょう。








歯石を取りましょう!
形に残らない治療ですが
歯周病予防のために最も大切です

 

しのびよる歯周病
歯肉の炎症が歯周病のはじまり

歯周病(歯槽膿漏症)とはどんな病気でしょう?

・朝起きがけに、口の中が臭いませんか。
・歯ブラシを使うと歯ぐきから血が出ませんか。
・歯ぐきの先端が赤く腫れていませんか。
 もし思いあたるようなら、歯ぐきの病気にかかっています。
 そして・・・
・冷たいもの、熱いものが歯にしみます。
・歯がグラグラしてきます。
・歯ぐきがもり上がって歯にかぶさる、あるいは歯ぐきが後退して
 歯の根が出てきます。
放って置くと、最後には歯が抜けてしまいます。

歯垢からしのびよる歯周病

 歯の表面には粘り気のある薄い膜が毎日つくられていて、歯と歯肉の境目にたまってきます。これが歯垢で、生きている細菌の集まりです。細菌の出す毒素から歯肉に炎症が起こるのが、歯周病のはじまりです。

 歯垢を放置すると歯垢はさらに付着しやすくなり、状態は悪化してきます。特に歯肉でかくれた部分にたまった歯石に歯垢が付着すると、歯垢中の細菌は歯を支えている骨を侵していき、歯周炎を進行させ、歯が抜け落ちてしまいます。一般的に歯槽膿漏(しそうのうろう)と言われる症状とは、こういう事をいいます。

 そこでこの歯垢を完全に除いて清潔にすることが歯周病の予防であり治療の第一条件なのです。

定期的に歯石の除去を

歯石除去は、歯と歯ぐきを病気から守ります

 歯を支えている周りの組織が病気になった状態を歯周病といいます。歯周病もむし歯と同様、食べ物のカスについた細菌が歯の表面に歯垢(しこう)、プラークとなって取り付き、それが引き金になって起こります。

 歯垢は正しい歯のみがき方の指導を受け、きちんとしたブラッシングをすることでかなり取り除くことができます。でも、この歯垢をそのままにしておくと、歯肉と歯の間に歯石ができてしまいます。

 歯肉の下に隠れた歯垢や歯石は専門家に取ってもらわなければなりません。これを歯石除去(スケーリング)といいます。

歯石とスケーリング

 スケーリングをすると、歯と歯の間にすきまができて、かえって悪い結果になったように思われる人もいますが、それはたいへんな誤解です。むしろ今まで歯がピッタリしていたのは、歯の間に歯石がはりついたからなのです。

 スケーリングは、歯と歯ぐきを病気から守る有効な方法です。

 歯の表面についたプラークに、唾液中のリンやカルシウムがまじって石灰化したものが歯石です。

 非常に硬く、自分ではとれません。専門家に超音波スケーラーやキュレットなどの特殊な用具を使って取り除いてもらいます。

定期的にスケーリングを!

 歯石は一度きれいに取り除いても、また長い間にはたまってきます。正しいブラッシングを心がけることが第一ですが、やはり定期的な検診を受け、そのとき一緒にスケーリングを受けるのが最善です。

 30代になったら年2回はスケーリングを受けて、歯周病の予防につとめて下さい。

お口の中の環境改善

スケーリング&ルートプレーニング

 歯周病の原因プラークは、細菌が自分で作り出した物質をテントのようにはって周りを囲み、その中で増殖しています。
こういう細菌の生活様式をバイオフィルムといいます。
 バイオフィルムは、薬を使って治療しようとしてもこの膜状のものが壊れにくく、薬などを通さないため効果がありません。
その上、膜の粘着力が強く、プラークの場合は歯面にしっかりくっついて取れにくいことも特徴です。つまりバイオフィルムは
物理的な方法で「こそげ落とす」しか取り除く方法がありません。
 そんな訳で、プラークをコントロールしてお口の中の環境を整えるためには、ご家庭での正しいブラッシングとともに、専門家
による歯科医院(セルフケアとプロフェッショナルケア)での清掃がとても効果的です。

スケーリング
 専門家の手によるプラークコントロールの第1ステップは、スケーリングです。特殊な器具を使い、目に見える範囲のプラークや
歯石(プラークが石灰化したもの)を除去します。術後しばらくは歯と歯の間に隙間ができたり、歯が長くなったように感じますが、
これはいままでついていた歯石が取れたせいで、良くなった証です。

ルートプレーニング
 プラークや歯石は、歯肉に隠れた目に見えない部分にも溜まります。
 歯根(ルート)面についたプラークや歯石、沈着物、死んでしまった組織などを特殊な器具で取り除いて表面をツルツルにし、
再び汚れや細菌が付かないようにします。

歯周基本治療のひとつ

ブラッシングを続け、PMTC(歯のクリーニング)、歯の根の歯石をとるルートプレーニングなどの治療を受けても、
歯周病がなかなか改善されないときがあります。そんなときは、歯周病に侵され悪くなっている部分を切り取る
処置をすることもあります。歯周病の改善の程度で方法はいろいろですが、一番よく行われる方法をご紹介します。

歯周ポケットそうは
スケーリングやルートプレーニング治療と同じように、麻酔をして目に見えない歯の根についている歯石や汚れを
とって根の表面をツルツルにし、さらに歯周ポケットの内側の炎症をおこしている歯肉の組織も取り除く治療です。
これで歯周ポケットはなくなり、歯周病も改善します。


悪くなっている部分を最小範囲で切除したあと、傷口を安定させるために縫ったり、特殊なパックをしたりする処置を
します。これが歯周ポケット掻爬術です。

むし歯と歯周病

音もなくしのびよってくる歯の病気

組織をなくしてしまう病気

むし歯と歯周病は、「歯の二大疾患」と呼ばれています。これらの疾患には次のような特徴があります。

1.いったんむし歯や歯周病にかかったら、自然に治癒することは期待できません。
2.むし歯や歯周病は組織をなくす病気で、失った組織は元通りには回復できません。
3.かなり進行しないと、自覚症状が現れません。
4.進行すればするほど、複雑な治療が必要になり、治りにくくなり、再発しやすくなります。
5.失われた歯は義歯やインプラント(人工歯根)で補うことができます。しかし義歯は、機能、快適さ 、審美性において自分の歯とは比較になりません。インプラントも盛んですが費用と現状ではいまの段階では問題なしとは言い切れません。

徐々に進行する「サイレント・ディジーズ」

 むし歯は表面のエナメル質から始まりますが、エナメル質には神経が分布していません。象牙質に進んでも表層は神経がばらばらで痛みを感じないでさらに進行します。

 歯周病もサイレント・ディジーズ(音もなく忍び寄ってくる病気)と呼ばれ、さまざまな症状が起きるのですが、徐々に進行するので自覚しないまま経過する場合が多いのです。

常に普段の生活習慣に気をつけ、最適最善の状態に保つ心がけが大切です。

歯周病の原因と症状
「食べかす」から始まる歯周病

細菌とたたかうときできる歯肉炎

 歯と歯肉の間にたまった歯垢が、歯周病を起こす細菌の固まりです。その名は、「ポルフィロモナス」と「フゾバクテリウム」。歯肉の毛細血管が拡張、増生して白血球が流れ出して、これらの細菌とたたかうときに歯肉に炎症が起こります。これを歯肉炎といいます。

ポルフィロモナス・ジンジバリス  フゾバクテリウム・ヌクレアトム

歯肉や骨が破壊される歯周病

 歯肉炎となり炎症がおきた部分は、歯ブラシなどで強く磨くなどちょっとした刺激で出血します。しかし、歯肉炎はブラッシングの改善でなおります。
 この歯肉炎が長く続くと歯肉や歯を支える歯そう骨という歯周組織を破壊し歯周病となってしまいます。歯周病は、種々の症状を引き起こします。

始まりは出血と腫れ

 歯周病の症状は次のように進んでいきます。
これらの症状に心あたりのある方、ぜひお早めに診査をお受け下さい。

1.歯肉が赤くなる    4.歯肉からの出血
2.歯肉が腫れる     5.歯肉が後退する
3.歯と歯肉の間の溝   6.水やお湯がしみる
 (歯周ポケット)が   7.膿が出る(口臭がする)
   深くなる       8.歯がグラグラする

歯周病の原因について

歯周病の原因は大きく分けて3つあります。

@「歯垢(プラーク)」などに住みつく細菌

 「プラーク」はブラッシングで、「歯石」はスケーリングで、歯の周りを清潔にしましょう。

A個人の体質

・しっかり歯みがきをしているのに、歯周病になってしまう人

・あまり歯みがきをしないのに、歯周病にならない人 がいます。

これは、細菌に対する免疫力や、口の中に住む細菌の種類が個人個人で違うからです。

B歯にかかる力による影響

・かみ合わせが悪い

・歯ぎしりなどの習慣

・多数の歯を抜かれてしまい、残り少なくなった人

・奥歯ですり潰すように噛む人

歯周治療の目的


どんな歯ぐきを目指すのか?

状態の悪い歯ぐきとは
歯ぐきが
@プヨプヨ腫れて歯と歯の間が肉で満たされている(色は赤っぽい)
A歯ブラシやつま楊子で簡単に出血する
B口臭あり
C歯ぐきが痛がゆい、うずく
D歯がグラグラする、歯ぐきに膿をもつ(これはかなり症状がすすんできた時)



このような歯ぐきを
・歯科医院での特殊な清掃
・ご自分での毎日のブラッシング
・生活習慣の改善
・時には麻酔をして、外科的な清掃
・かみ合わせや銀歯の改善 etc 

   で次のような状態にもっていくのが歯周治療です。


状態の良い歯ぐきとは
@歯ぐきは固く引きしまってピンク色
 (引きしまった分、歯と歯の間に少し隙間が少しできる事あり)
A歯ブラシやつま楊子などで歯ぐきをつついても出血しない
B口臭がせず、口の中がさわやか
C歯ぐきがうずかない、歯と歯の間の風通しが良い
D歯がグラグラしない、膿も出ない


歯周病を予防する方法


食生活や歯みがきなど、生活全般から予防を

栄養のバランスや、よく噛むことも大事

 歯周組織の健康増進を図りましょう。

 歯周組織も身体の一部ですから食事・運動という普段の生活習慣を確かなものにしましょう。ビタミンA,B1,B2,Cの複合体、良質なタンパク、またカルシウム、鉄、リンの欠乏には常に注意することが大切です。歯周組織の活性化を促すために硬い食べ物を選択することも必要です。ガムなどは噛む回数を増やすのに大変便利です。
 また、“食べかす”が歯面につかない食べ物を選び、発酵糖質を避ける必要があります。

歯周病になりやすい環境

・喫煙習慣(ビタミンCを破壊します)
・高カロリー、高脂質、高タンパク質(小魚、海藻、大豆製品を摂らない人)
・朝食抜きでファストフードでソフトな食品(食生活が不定)
・ストレスを常に感じている人(仕事、人間関係、家庭)
・運動量の少ない人

 これらのことに思いあたる方はいませんか?

歯みがきが大切です

 毎食後の歯みがきは、ただ何となく磨くのでなく、歯肉の血液循環を促す磨き方をして、常に「磨けている」状態を保つことが大切です。

歯ブラシにもさまざまな種類がありますので、効果的に使いわけましょう。



ブラッシングの方法(1)

歯ブラシの毛先が均等にゆきとどくように

歯みがきをしているのになぜかむし歯ができてしまう人がいます。なぜでしょう?歯科医院で歯垢の染め出しを行ってもらうと、意外にみがき残しがあり歯垢が取れていないことに気づきます。自分の口の中の状態に合った効率のよいみがき方を身につけることが大切です。みがき方によっては、歯ぐきを痛めたり、みがき過ぎて歯が磨耗(すり減る事)したりします。でも注意さえすればどのようなみがき方でも構いません。歯ブラシの毛先が均等に歯の隅々までゆきとどき、歯に付いた歯垢をきれいに取り除くことが大切です。

歯ブラシの毛先を使う方法(フォンズ法)
「フォーンズ法」は歯の表面をみがくのに適しています。その上マッサージの効果も高く清掃能力もあります。歯を軽くかみ合わせ、歯肉をむきだし、歯ブラシの先端を歯肉に当てます。そして歯の面に直角に、円を描くように動かします。この時歯みがき剤はつけずに行い、ブラシは毛列3〜4列の、やや軟毛のものが良いでしょう。
「フォーンズ法」は特別に難しいブラッシング方法ではないので、誰にでも無理なく簡単にできます。また「フォーンズ法」は歯肉炎の予防にも効果があります。

45度の角度でみがくバス法
歯ぐきが歯の根からはがれた所をポケットと呼びます。ここには歯垢・歯石がたまりやすく、ばい菌の巣になり、歯周病、歯肉炎の原因となります。「バス法」はそれを防ぐのに適したみがき方です。
歯みがきの方法は、歯軸に対し45度の角度で、歯と歯ぐきの間に毛先を入れ、1mm程度のストロークで前後に細かく歯ブラシを動かします。この時毛先が歯と歯ぐきの境目から離れないようにします。離れるとせっかくの効果がなくなります。


上:フォーンズ法   下:バス法

ブラッシングの方法(2)

自分のみがき方をチェックしよう

一生自分の歯で食生活を楽しむために
むし歯や歯周病は日常の手入れ次第で予防できる病気です。 本当は毎食後歯磨きするのが一番良いのですが、なかなか時間は作れないものです。 そこで、磨き残しや歯垢のつきやすい部分など自分のみがき癖を知ることが重要です。

 その方法とは・・・・・・
   ・いつものようにブラッシングする。
   ・カラーテスター(歯垢染出液)で歯垢のついている所を染め出します。
   ・赤く染まった箇所を確認して「毛先磨き」で磨いて行く。
   ・最後に「確認染め」をします。

毛先磨きとはどのような磨き方?
 毛先というのは、歯ブラシのナイロン毛の先端のことを指します。それからナイロン毛を歯の表面に直角に当ててこすります。そうすると、確実に歯垢が取れます。歯は曲面の立体なので歯の面を3つに分け、ブラシの先端を直角に当てることが必要になってきます。ブラシの刷面も分割して、直角に当ててこするようにして下さい。


毛先磨きのポイント

(1)必ず毛先を使うこと
(2)歯の面に直角に当てること
(3)力を入れないでこすること
(4)歯ブラシの持ち方を自由にかえること
(5)なるべく歯磨き剤を使わないこと
(もし使う時は、米粒くらいの量にすること)



ブラッシングの方法(3)

歯ブラシの寿命と選び方のポイント

どんな歯ブラシがよいですか?
薬局やスーパーマーケットへ行くと、さまざまな種類の歯ブラシが並んでいてどれを選んでよいか分からなくなってしまいますが、自分に適した歯ブラシで毎日きちんと歯をみがくことが大事です。
歯ブラシの毛の硬さはブラッシングの方法にもよりますが、歯の表面から汚れを落とすには、毛先の硬いほうが軟らかいものよりはるかに効果的です。硬い毛の歯ブラシの欠点は、歯ぐきを傷つけたり、歯の表面を削り取ったりする恐れがあることです。逆に軟らかすぎるものは、汚れを落とす能力に欠けるのが欠点です。
歯ブラシの毛先や柄のサイズはできるだけ小さめのもので、口の中全体に毛先が十分に届くことが大切です。毛の密集したものや動物の毛は乾燥しにくく、不潔になりやすいので、ナイロン毛が良いでしょう。

歯ブラシの寿命は?
歯ブラシは1カ月に一度取り替えることをおすすめします。また、毛先が開いてしまった歯ブラシは早く取り替えて下さい。もしも1カ月で毛先が開いたりする人は、歯をみがく時に力が入りすぎています。

どんな歯みがき剤がよいのですか?
歯みがき剤はいろいろありますが、研磨剤が含まれているものは、使い過ぎると歯が擦り減ってしまいます。歯みがき剤は、大体ブラシの毛の先にほんのすこしつける程度で十分です。歯の表面をゴシゴシ、力一杯こするのは、よくありません。歯みがきの目的は、歯垢をとりのぞくことなのですから。



トレンドは毛先みがき


歯ブラシのつま先、わき、カカトを使い分けて

1日1回、時間をかけてていねいに

 今の若い世代は、朝シャン感覚で歯をみがきます。ポケットやバッグの片隅に歯ブラシをしのばせ、食べたら気軽にシャカシャカシュッシュッ。口の中はいつもスッキリさわやかです。歯と口の健康維持の立場から、ぜひ皆さんも真似してほしいことです。そしてせっかくの歯みがきですから、ぜひ効果的にみがいて下さい。「みがく」と「みがけている」では大違いなのです。
食後すぐに歯をみがくのはなかなか大変です。専門家の研究では、1日3回短時間みがくよりも、1日1回ていねいに時間をかけてみがいたほうが効果的という報告もあります。また、簡単な歯周病ならブラッシングで進行を防げます。1日の最後にご苦労様のいたわりを込めて、あなたの歯をブラッシングしてあげましょう。そこで、現在最新の歯みがきの方法をお教えします。

歯垢がよく取れる“毛先みがき”とは
 むし歯や歯周病の原因は歯垢です。この歯垢をとらないと歯をみがいたとはいえません。歯垢がたまりやすいのは、歯と歯の間・歯と歯ぐきの境目です。そこを上手にみがくには、歯ブラシのつま先・わき・カカトを使い分け、歯ブラシの毛先がいつも歯に直角に当たるように、歯を3つの面に分割して力を入れず小刻みに動かしてみがきます。こうすると、歯垢がよく取れます。 さあ、トライしてください。コツをつかむとホラ、簡単でしょ。


歯周病治療のプロセス(初期)


あまり深刻でない方は、プラークコントロールで



歯周病治療のプロセス(中期)


かなり深刻な方は、歯周ポケットの除去を

お口の中の状態を診査します。



治療のための環境作りをします。
・歯周病につしての説明
・ブラッシングの指導

歯周病の状態を詳しく調べます。


(口の中の写真を撮ることがあります。)

検査の結果をもとに診断し状態を詳しく説明します。
症状に応じた治療計画をたてます。

歯周病の原因となるプラークや歯石を特別な用具を使って取り除きます。(スケーリング)
・ブラッシング指導をします。→毎日の歯みがきで実行



歯周病の改善程度を調べます。

(前回の写真と比較すると状態がよくわかります。)

歯肉に隠れて見えない歯根面の汚れや歯石を取り除きます。(ルートプレーニング)
歯周病の改善が見られない時は、病原菌の巣になっている歯周ポケットを取り除きます。(歯周ポケットそうは)

歯周病の状態を検査し、前の検査と比較して改善の様子をみます。


(前の写真と比較すると状態がよくわかります。)

病状の改善がはかばかしくない場合は、もう一度詳しい検査をして治療計画を立て直します。







歯周病の治療は時間と努力が必要です。
最後までがんばって治療を受けましょう。
これからも定期的にチェックを受け、お口の健康を保ってください。



歯周治療のプロセス(後期)


とても深刻な方は、歯科外科手術をおこなうことも


歯周病の治療は時間と努力が必要です。最後まで力を合わせて治療を続けましょう。

治療後は定期的な診査を受け、歯周病の再発を防ぎましょう。


歯周外科手術で症状はすっきり改善

歯周病の原因であるプラークを取り除くスケーリングやルートプレーニングの治療を
受け、プロの手によるケアとご家庭でのブラッシングをきちんと行っていても、病気の状態がなかなか
改善しない方がいます。

 そのような方は歯周ポケットがとても深く、目に見えないポケットの奥の方にプラークや歯石が溜まって
います。ふつうにしていてはプラークや歯石を除去する器具が届きませんから、目に見えない深い部分
まで見ることができるように歯肉を切開します。そしてポケットの深い部分にあるプラークや歯石そして
炎症のひどい組織を徹底的に取り除きます。歯根と歯肉が新しくぴったりとくっつくように、歯肉を元の
ところに戻して縫い合わせます。この治療が『歯周外科手術』です。手術後は早く治るよう傷口をパック
(包帯のようなもの)で保護します。

 歯周病の状態によって『歯周外科手術』にはいろいろありますが、手術をすると歯周ポケットが消えて、
歯の周りの歯肉や歯を支えている骨(歯槽骨)が健康なときの状態に整ってきます。


歯周外科手術のご紹介


歯周病と全身疾患の深いかかわり

早産の確率が7.5倍心臓発作が2.8倍

歯周病の患者さんは、歯周病でない患者さんに比べ致命的な心臓発作を起こす危険が約2.8倍、
早産の確率が7.5倍高いということが、最近のアメリカの研究などでわかってきました。日本人の
成人の約85%は何らかの歯周病に感染しているといわれています。歯についた歯垢は細菌の
かたまりです。歯垢1ミリグラムの中に約1〜2億個の細菌やうみが含まれており、私たちはそれを
毎日飲み込んでいることになります。

細菌は口や血管から体内に侵入する
中、重度の歯周病になっている妊婦は早産(2500g以下の低体重出産)の危険が7.5倍も高いです。
しかも歯周病は、飲酒や喫煙よりリスクが高く、早産の最大の危険因子と判明。歯周病を治すことで18%の
早産が予防できると発表されました。また糖尿病の患者さんは以前から歯周病になりやすいことは知られて
いましたが、最近は逆に歯周病があると糖尿病の血糖値のコントロールが難しくなるとわかりました。したが
って、歯周病を治療すれば血糖値が下がり、糖尿病がよくなっていくという好結果につながります。また、
肺炎やぜんそく等の呼吸器疾患にも歯周病がかかわっていることがわかってきました。



半年に一度は歯周病のチェックを受けましょう。
まずは、患者さんご自身のお口の中の細菌を減らすことがなにより肝心です。そのためには食後の正しい
ブラッシングが不可欠です。初期の歯周病は自覚症状が無く、知らない間に進行してしまいます。また、
根の深いところについた歯石は自分ではとれません。歯科医院でしかできない治療がありますので、お気軽
に「歯周病の検査をしてほしいのですが」と、歯医者さんに声をかけ、正しいアドバイスを受けましょう。



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